ハードウェア

銃を撃ちながら戦場を走り回って自爆する軍用ロボットをイラン陸軍が開発


イラン陸軍地上部隊(NEZAJA)は、軍用ロボットを開発するHeidar-1プロジェクトの存在を明らかにし、「ネットワークに接続された対歩兵・対装甲車用スマート無人地上車両(UGV)」のプロトタイプを発表しました。


Beetle-like Iranian robots can roll under tanks
https://www.c4isrnet.com/unmanned/2019/10/08/beetle-like-iranian-robots-roll-under-tanks/


NAZAJAが開発した軍用ロボットがどんなものかは以下のムービーを見るとよくわかります。


NAZAJAの開発したスマートUGVは6輪で、アンテナと小型カメラが取り付けられています。また、アサルトライフルを装備したバージョンには、照準用の望遠光学センサーも搭載されているとのこと。


ドローンからの空撮でスマートUGVの配置を見ながら操作する様子。現地に行かなくても遠隔で火力を持つロボットを自由自在に動かすことができます。アメリカ海軍分析センターの顧問を務めるサミュエル・ベンデット氏は、イラン陸軍のスマートUGVはある程度の自律走行も可能ではないかと推測しています。


スマートUGVの高さはせいぜい数十cmほどで、狭い隙間に潜り込むことができます。以下の場面は、砂漠に停車している装甲車の下にスマートUGV(赤枠)が潜り込むところ。


次の瞬間、スマートUGVは自爆。無人で装甲車まで自走できるスマートUGVは対装甲車用の戦力として期待されています。


また、上部に取り付けたアサルトライフルを発射することで、スマートUGVは対歩兵戦にも運用できます。


ベンデット氏によると、こうした遠隔操作の無人車両の使用は中東では珍しくなく、ISISを初めとした非国家組織は市販部品から独自に開発しているとのこと。実際に、2019年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンによる空爆を受け、隣国イエメンの反政府勢力であるフーシ派が犯行声明を出しました。

サウジ石油施設にドローン攻撃、2か所で火災 フーシ派が犯行声明 写真2枚 国際ニュース:AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/3244494


この空爆を受けて、アメリカは「フーシ派はイランと明らかにつながっている」として、イランへの経済制裁を発表。また、イギリス・フランス・ドイツは「このサウジアラビアへのドローン空爆には明らかにイランが関与している」という共同声明を出しています。

ベンデット氏は「イラン軍が直接このスマートUGVを展開するかどうかはわかりませんが、フーシ派がサウジアラビアとの紛争に同型のスマートUGVを投入する可能性があります」と述べました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
北朝鮮のフロント企業が軍用機器をTwitter・YouTubeなどで宣伝していたことが判明 - GIGAZINE

対ドローン兵器のためバギーに搭載できる小型サイズのレーザー砲が開発される - GIGAZINE

中国が800メートル先のターゲットを燃やすことが可能な携帯型レーザー銃の開発に成功 - GIGAZINE

アメリカで軍用装甲車が盗まれ市街地を爆走する事件が発生 - GIGAZINE

チープな「手作りのドローン」がなぜ各国の軍隊の脅威となっているのか? - GIGAZINE

十徳ナイフレベルの万能さを誇る中国の多目的軍用シャベル「WJQ-308」はマジでなんでもできる - GIGAZINE

in ハードウェア,   動画, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.