元NASAのエンジニアがボウリングの球を「ハッキング」してストライクを連発するムービー

水圧でスイカを真っ二つにする水鉄砲を作ったり、ゲームセンターのルーレットマシンを本気で攻略したり、宅配物を盗む泥棒をこらしめる爆弾を作ったりと、元NASAのエンジニアの技術力をフル活用してさまざまなものを工作する人気YouTuberのMark Rober氏が、ボウリングのボールを自由自在に動かせるようにハッキングし、ストライクを連発する様子をムービーで公開しています。
Automatic Strike Bowling Ball - YouTube

Rober氏が手にしているのは、普通のボール。

Rober氏が目指しているのは、自由自在にボールを操作すること。手前に映る電子基板を左右に振ると、ボールも左右に動きます。

ボールをハッキングするにあたって、まずは真っ二つに割ります。

ただし、ボールの中身はぎっしり詰まっています。また、投げたときにカーブがかかるように、あえて重心は球の中心からずらされているとのこと。そこで、Rober氏はまずボウリングの中身を全てくりぬきました。

そして、ボールのハッキングを実現するために、Rober氏はロンドンに住んでいるYouTuberのJames Bruton氏の協力を仰ぎました。

Bruton氏は玩具デザイナーでエンジニア。「世界最大の『自分の彫刻』を3Dプリンターで作った」という世界記録でギネスブックに登録されているBruton氏は、実際に稼働するアイアンマンやスター・ウォーズのBB-8などを趣味で制作しています。

Bruton氏が実際に自走するBB-8を制作したことがあることから、Rober氏は同じ技術をボウリングのハッキングに使おうと考えた模様。

そして、Bruton氏が制作したボウリングの中に収める機械がコレ。

機械には軸が通っていて、重りがついています。重りはArduinoとサーボモーターによって傾きが制御されるという仕組み。

ボールが転がっている時に重りが左右に傾くことで、重心を変化させるというわけです。

この基板は操縦者の傾きを感知するユニットで、ボールに無線で信号を送ります。

さらに操作の有効・無効を切り替えるスイッチもつけられました。

傾きを感知するユニットを操縦者の背中に貼り付けて、スイッチをポケットに忍ばせればOK。

ユニットを取り付けたRober氏が体を左右に傾けると、ボウリングのボールも同じように左右に動きます。ボウリングのピンで作られたスラロームは普通のボウリングならばピンを真っ直ぐに倒していくだけですが、ハッキングにより左右にスイスイとピンの隙間をぬっていくことが可能に。

上々のテスト結果に喜ぶRober氏。いよいよストライク連発に挑戦します。

ボウリングで全てのピンを倒してストライクを取るためには、中央の1番ピンにまっすぐ当てるのではなく、やや斜めから球を当てる必要があります。

具体的には以下の角度。およそ3度という狭さで、プロであれば難なく狙うことはできても、素人が百発百中で狙うのは非常に難しいものがあります。しかし、ハッキングしたボールであれば、簡単に狙うことができます。

さらに、ボウリング場の協力の下で、レーンのオイルも新しく塗り……

ピンもちゃんと用意してもらい、カメラの設置も特別に承諾してもらったとのこと。

まだユニットのスイッチを入れていない状態でRober氏がボールを投げようとすると、近くでボウリングをプレイしていた子どもたちが寄ってきました。

思った通りにボールが転がらず、「右にいけ!」とばかりに体を傾けますが……

ボールは左に曲がってしまい、ガーターとなってしまいました。

「ガーターだ!」

「ボウリング下手だね」と子どもたちは言いたい放題。

そこで、ポケットに取り付けているスイッチを入れるRober氏。

「ぼくにはジェダイのパワーがあるんだよ」と言いながら、ボールを思い通りに動かすRober氏。

Rober氏のフォース見て、先ほどまではやし立てていた子どもたちは、驚きのあまり黙ってしまいます。

Rober氏は再びボールを投げます。

当然のようにストライクを連発。

突然すごい腕前を目にして、子どもたちは口をあんぐりと開けてぼうぜんとしますが……

何度もストライクを出していると子どもたちも興奮して大騒ぎ。

それでも、Rober氏が何か細工をしていたことに気づく子もいたようで、「またインチキしたでしょう!」と女の子が怒りました。

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