「優れたスケッチを描くための方法」をプロの建築家が解説
By Pressmaster
アイデアをまとめたり、絵画の下書きとして描かれるスケッチについて、効率良く描くためのポイントや上達の秘訣を、プロの建築家であるエリック・ラインホルト氏が語っています。
Sketch like an Architect (Techniques + Tips from a Real Project) - YouTube
ラインホルト氏は、スケッチで使用するツールは最小限であるべきだと考えているそうです。ツールを制限することで、スケッチにより集中できるようになるとのこと。
ラインホルト氏が使用しているのはコピックのカラーマーカー、ニュートラルグレイ5種類や……
太さ0.5mmのシャープペンシルや、Sharpie Ultra Fine。
「スケッチとは、完成された作品を作ることではありません」とラインホルト氏は語ります。ラインホルト氏にとって、スケッチを行うのはプレゼンテーションのためではなく、視覚的な思考からアイデアを生むためだそうです。スケッチを通してアイデアを具現化することが新しい発見のきっかけになるとのこと。
ラインホルト氏は「我々がスケッチブックに描いたものに対して、ソーシャルメディアは『ペンから生まれるものはすべて、素晴らしい芸術作品でなければならない』と誤解しがちです。そもそも、スケッチブックの中身を全世界に共有する必要はありません。スケッチを芸術作品として仕上げる必要はなく、スケッチをしながら作品についてを考えることが大切です」とも語っており、スケッチは完成されたものである必要は無いことを強調していました。
スケッチを続ける中で、時間とともに独自のスタイルが構築されていきます。ラインホルト氏の場合、建築スケッチの線画は、正確さよりも早さが重要だとのこと。たとえば、以下の画像ではコーナーの部分(OVERLAP CORNERSの部分)は線が角の部分よりはみ出していますが、角をいちいち丁寧に描いているとより時間がかかってしまいます。多少不正確でも、早く描くことが大事というわけです。
「いざスケッチを始めようとしたとき、多くの人がひと続きの線や、定規で線を描きがちです。線がゆがんでしまっても問題ないので、線を描くときは、連続した描きやすいストロークを使用してください。スケッチを描く中で、いろいろな描き方を試して自分に合ったものを見つけることができれば、最終的にまっすぐな線を引けるようになっているはずです」とラインホルト氏は語っています。
また、ラインホルト氏は破線や点線、線の太さなどを使い分けることが、スケッチを行う上で役立つと述べています。平面図のスケッチだけに全ての情報を詰め込むのは難しいので、視覚的に説明できないことを補足するため、スケッチにテキストや矢印、高さなどを追加します。線を使い分けることで情報をわかりやすくすることができるわけです。
早く描くために、全てを小さく描くという手段も挙げられています。描き込みに掛かる時間が減り、全体を把握しアイデアを整理しやすくなるとのこと。
スケッチを続ける中で、もし描いているものに満足できない状況になった場合、ラインホルト氏は使用するツールを変更することを勧めています。ペンとインクを使用している場合は、鉛筆や色鉛筆を使ってみたり、白い紙に描いている場合は、クラフト紙や濃い灰色の紙に描いてみたりするといった例が挙げられています。「ツールを変更することが、新しいアイデアを生むきっかけになる」とラインホルト氏は述べています。時には外出して新しい画材キットを購入することも勧められています。
スケッチ上達の秘訣について、ラインホルト氏は、「1日15〜30分だけ練習する」ことよりも、習慣づけを行うことが大事であると語っています。たとえば、空き時間にソーシャルメディアをチェックするように、空き時間にスケッチを行えばいいというわけです。「すぐ近くにあるものを選んで、30秒のスケッチを行ってください。スケッチ上達の秘訣は、常にスケッチブックを近くに置いておくことなのです」とラインホルト氏は述べています。
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