GoogleのAIスタートアッププログラムに参加した日本の女性CEOが語る「AIが変える日本の働き方」とは?
GoogleのDevelopers Launchpad Acceleratorは、世界40カ国で展開されている人工知能(AI)スタートアップ向けの人材育成プログラムで、日本でもGoogle Launchpad Accelerator Tokyoが実施されています。そんなGoogle Launchpadに参加した日本のAIベンチャーである株式会社シナモンのCEO・平野 未来さんが、AIが変える日本の働き方について語りました。
AI is bringing back balance to Japanese workers
https://blog.google/technology/ai/cinnamon-japan/
平野さんがGoogleのインタビューに応えている様子は、以下のムービーから見ることができます。
Ideas to Reality: Cinnamon - AI to restore work life balance to Japanese workers - YouTube
「私のミッションは、現代の働き方を変えることだと思います」と話すのは、株式会社シナモンのCEOを務める平野 未来さんです。平野さんは、学生時代だった2006年にはソフトウェア開発会社を立ち上げて、mixiに売却したという起業家です。
平野さんが本格的に働き方について考えるようになったのは、若い女性が過労自殺により命を落としたという事件のニュースに接したのがきっかけ。当時妊娠中だった平野さんは、事件や日本の労働環境について調べるうちに「次の世代のために、働き方を変えていく必要がある」と思うようになったとのこと。
平野さんは『Karoshi(過労死)』という言葉に象徴されるように、日本の労働者は非常に非効率的な労働環境に置かれていて、精神的にも問題を抱えています」と指摘しています。
平野さんによると、日本の労働者が長時間労働に縛られているのは、取引先ごとにレイアウトが違う請求書や、取引の度に交わす契約書などの「非構造データ」で埋め尽くされたビジネス文書がはん濫しているためだとのこと。
こうした文書の処理を肩代わりしてくれるのが、株式会社シナモンが開発したAI・Flax Scannerです。このAIを使用すると、400ページにも及ぶ法的な契約文書の要約をほんの3分で作成することが可能だとのこと。同じことを人力で行おうとすると、場合によっては1週間もかかります。
平野さん率いる株式会社シナモンの開発チームは、GoogleのAIツールである「TensorFlow」や「Firebase」といったディープラーニング技術を使用して、柔軟に文字や文章を認識可能なAIを開発しました。
AIに反復的な業務を肩代わりしてもらい、日本の労働者を長時間労働から解放することで、ワーク・ライフ・バランスを取り戻したいと、平野さんは考えています。
最終的には、退屈な仕事を全てAIに任せて、人間は1日4時間・週に4日だけクリエイティブな仕事をし、残りの時間は趣味や家族との団らんの時間するという働き方が実現するだろうとのことです。
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