全家庭と企業に無料でブロードバンド環境を提供することを労働党が提唱
by Ludovic Toinel
イギリスでの2019年の総選挙に向けて、野党・労働党が通信会社の一部を国有化し、月額30ポンド(約4200円)ほどかかっているブロードバンド環境を全家庭・企業に無償提供するという考えを打ち出しています。
General election 2019: Labour pledges free broadband for all - BBC News
https://www.bbc.com/news/election-2019-50427369
Labour pledges free broadband for all homes and firms in UK | Politics | The Guardian
https://www.theguardian.com/politics/2019/nov/14/labour-pledges-free-broadband-for-all-homes-and-businesses-in-uk
労働党では、「公共部門の変革」のために電力会社や水道会社、郵便事業、鉄道を国有化するという計画を発表しており、今回の「ブロードバンド無償化」に向けて、通信会社BTグループのネットワーク部門であるオープンリーチなどの国有化を表明しています。2019年時点で、イギリスの家庭でブロードバンド環境の導入には月額30ポンド(約4200円)ほどかかり、光ファイバー網に接続している施設は全体の10%未満だとのこと。
労働党では、ブロードバンド無償化は2030年までに実施する予定だとのことですが、BTグループのフィリップ・ジャンセンCEOによれば、与党・保守党でも2025年までにブロードバンド環境を全国民に提供するという計画があるとのこと。一方で、無償化を実施するには、労働党が考えている200億ポンド(約2兆8000億円)では済まず、600億ポンド(約8兆4000億円)はかかると試算。保守党からは830億ポンド(約11兆7000億円)はかかるという指摘もなされています。
なお、ボリス・ジョンソン首相は労働党の考えについて「狂ったスキームだ」とコメントしました。
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