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NINTENDO64の伝説的名作「ゴールデンアイ 007」幻のリマスター版について新たにムービーや画像がリークされる


1997年にNINTENDO64向けに発売されたシューティングアクション「ゴールデンアイ 007」に、開発されていたもののお蔵入りとなった幻のリマスター版が存在することが2016年に流出したムービーで判明しました。そして、2019年11月初頭に突如大量にリークされたリマスター版の画像やムービーから、かつて2015年頃にリリースされるチャンスがあったものの、直前になって中止になった可能性が示唆されていると技術系メディアのArs Technicaが報じています。

Goldeneye 007’s lost remaster emerges again via massive, polished video leak | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2019/11/leaked-goldeneye-007-documentary-suggests-it-nearly-launched-on-xbox-after-all/


「ゴールデンアイ 007」は映画「007 ゴールデンアイ」を原作にしたファーストパーソンシューティングゲーム(FPS)で、原作映画のストーリーを追うことができるミッションモードのほか、2人から4人までで戦う対戦モードで遊ぶことができます。「ゴールデンアイ 007」は当時まだ珍しかったFPSというジャンルを世界中の子どもたちに知らしめた名作の1つであり、発売から20年が経っても最速クリア記録を更新するプレイヤーが存在するなど、人気の高いゲームです。

「ゴールデンアイ 007」を開発したのは、「スーパードンキーコング」シリーズで知られるイギリスのゲーム開発会社のレアで、その後もNINTENDO64で「バンジョーとカズーイの大冒険」や「パーフェクトダーク」などのヒット作の開発に携わります。しかし、2000年頃から主要なスタッフの退職が相次いで開発力が急激に低下したため、任天堂は2002年に保有するレアの株をMicrosoftへ売却。レアはその後、Microsoftの開発するXbox360のタイトル開発に参加し、「バンジョーとカズーイの大冒険」や「パーフェクトダーク」の続編はXbox360用タイトルとしてリリースされました。

レアが開発したゲームの中でも特に根強い人気のあった「ゴールデンアイ 007」は、リマスターや移植を希望する声が多くのファンから挙がりました。2011年には別の開発会社による「ゴールデンアイ 007」がWiiで発売されましたが、ステージやシステムも変わっている上に、ジェームズ・ボンド役がピアース・ブロスナンからダニエル・クレイグに交代されているなど、NINTENDO64版とは全く違うゲームとなっていました。

しかし、2016年に、どう見てもNINTENDO64版を忠実にリマスターした「ゴールデンアイ 007」をプレイする以下のムービーがYouTubeに公開され、「Xbox Live Arcade向けに『ゴールデンアイ 007』が登場する」というウワサが世界を駆け巡りました。

Half Hour of GoldenEye 007 XBLA Gameplay - YouTube


リークされたムービーにはNINTENDO64版を忠実に再現した内容のほか、新規に追加されたステージやミッションと思われる場面もあって話題となりましたが、このムービー以外に「ゴールデンアイ 007」のリマスターの開発が行われていることを示す確たる証拠が登場しませんでした。


そして2019年11月上旬に、リマスター版「ゴールデンアイ 007」に関する大量の画面写真やムービーがまたもやネット上に流出しました。2016年に公開されたものを含むムービーはすぐに削除されてしまったそうですが、インターネットアーカイブに保存されています。

リークされた場面写真を見ると、NINTENDO64版を忠実にリマスターしたものであることがよくわかります。例えば以下の画像は化学工場のガスタンク前で006と合流するシーン。NINTENDO64版だとこんな感じですが……


リマスター版だと006の表情や体形がよりリアルになっている上に、化学工場の床や壁のテクスチャのクオリティが格段にアップ。一部では「エンピツ」と呼ばれることもあったKF7(画面中央のライフル銃)もリアルな見た目となり、銃の構造がわかるまでになっています。


地下基地トイレの天井穴も、NINTENDO64版では薄暗くぼんやりしていたのが……


リマスター版では、くっきりと明るく描画されています。これならばモーションセンサー爆弾が仕掛けられていても一目で気づけそう。


軍用書庫で対戦するナターリアとボンド。キャラクターの顔やテクスチャが明らかにNITNENDO64版よりもレベルアップしていますが、弾薬表示やフォントなどUIはほとんど変化していません。


また、リークされた情報にはゲーム中で使われているCGモデルの画像も含まれています。以下はリマスター版用にリモデリングされた軍用トラック。


相手を一撃で葬り去ることができる黄金銃のモデル


リモコン爆弾のスイッチになったり高出力レーザーを発射したりできるジェームズ・ボンドのオメガ シーマスター


リークされたムービーには2016年に公開されたもののほか、開発スタッフがエピソードを語るメイキング映像が含まれていました。これは、2015年にMicrosoftが出したオムニバスゲーム「Rare Replay」に付属したインタビュー映像の没シーンと考えられています。「Rare Replay」は1983年から2008年までに発売されたレア開発のゲームがほとんどすべて収録されていますが、任天堂が版権を持っている「スーパードンキーコング」シリーズと「ゴールデンアイ 007」は収録されていませんでした。ムービーの中で当時の開発スタッフが「17年の時を超えて感謝を申し上げます」と語っていることから、おそらくリリース直前になって何らかの事情で「ゴールデンアイ 007」の収録が見送られた可能性が考えられます。

以下のムービーでは、「ショーン・コネリーがゲーム内に自分の顔を使うことを拒否した」とスタッフが語る様子と、リマスター版と思われるゲーム内容を見ることができます。


画面写真やムービーを見る限り、「ゴールデンアイ 007」のリマスター版はリリース可能な完成度に到達していたように思われますが、権利問題の複雑さ故に今後のリリースは絶望的だとArs Technicaは述べています。Xbox部門の責任者であるフィル・スペンサー氏は2015年に「私たちは『ゴールデンアイ 007』の権利問題を解決しようと努力していますが、いつも諦めています」とツイートしていました。


007シリーズのゲーム化権は「映画シリーズのゲーム化権」と「ジェームズ・ボンドのゲーム化権」があり、前者はElectronic Artsが取得し、後者はActivsionが取得したと報じられています。そのため、任天堂とMicrosoftだけで解決できる権利問題ではないというのが、リマスター版「ゴールデンアイ 007」のリリースが難航する要因の1つです。なお、「ゴールデンアイ 007」を取り巻く権利関係がなぜここまで複雑になってしまったのかはわかっていません。

Ars Technicaは、2019年はXbox One向けのソフトがNintendo Switchでいくつもリリースされたように、任天堂とMicrosoftの関係が良好であると述べています。しかし、2019年11月にあったリークには、なぜリマスター版のリリースがうまくいかなかったのかを説明する材料がなく、この問題が解決されない限り今後リマスター版がリリースされる可能性は低いとArs Technicaは論じました。

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in 動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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