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「iPhone 11 Pro Max」のカメラがどれほどの性能を持っているのかを専門家が徹底レビュー


Appleの「iPhone 11 Pro/11 Pro Max」はiPhone初のトリプルカメラを備えたことで話題を集めており、カメラ機能が大幅にアップしたといわれています。スマートフォンのカメラやデジタルカメラのレビューを専門に行うメディアのDXOMARKが、実際にiPhone 11 Pro Maxを使い倒してレビューした結果を公開しています。

Apple iPhone 11 Pro Max camera review - DXOMARK
https://www.dxomark.com/apple-iphone-11-pro-max-camera-review/

iPhone 11 Pro Maxに搭載されているのは、iPhone XS Maxのデュアルカメラと同様の焦点距離を持つ広角・望遠カメラに加え、13mmの超広角カメラとなっています。また、A13 BionicチップのNeural Engineにより可能となる新しい画像処理システム「Deep Fusion」を用いることで、「写真のピクセル単位での処理」により「写真全体の質感・細部・ノイズを最適化する」ことが可能とされています。

そんなiPhone 11 Pro Maxのカメラ性能をレビューするため、DXOMARKのエンジニアは制御された屋内環境および通常の屋内環境、屋外といったさまざまなシーンで撮影を行いました。レビューのために撮影された写真は1600枚を超え、ムービー性能も確かめるため、実に2時間以上のムービー撮影を行ったそうです。

DXOMARKによる写真・ムービーの採点結果が以下の画像で、写真スコアは124、ムービースコアは102、総合スコアは117という結果になりました。写真スコアが高いことから、DXOMARKはiPhone 11 Pro Maxのカメラは静止画像の撮影に最適だと述べていますが、ムービースコアもスマートフォンカメラの中では最高の点数だとのこと。


比較対象がないiPhone 11 Pro Maxのみの結果ではイマイチどれほどの評価なのかわかりにくいですが、DXOMARKがレビューしたスマートフォンのスコアランキング上位がこれ。117というiPhone 11 Pro MaxのスコアはHuawei Mate 30 ProやXiaomi Mi CC9 Pro Premium Editionに次ぐスコアです。


Huawei Mate 30 Proのスコア詳細がこれ。写真スコアは132とiPhone 11 Pro Maxを大きく上回りますが、ムービースコアはiPhone 11 Pro Maxをわずかに下回っています。


Xiaomi Mi CC9 Pro Premium Editionのスコアが以下の画像。写真スコアの全項目でiPhone 11 Pro Maxを上回るというわけではなく、露出(Exposure)や偽色などの少なさ(Artifacts)といった項目ではiPhone 11 Pro Maxに軍配が上がっています。


DXOMARKがiPhone 11 Pro Maxについて高く評価する点として、「幅広い光の条件下でちょうどいい露出になる」「色合いがいい」という点を挙げています。屋内環境では時々緑がかった色合いが見られたものの、全体的な色合いは非常に心地のいいものだったとのこと。また、わずかに黄色がかった色合いも、ポートレートに適しているとDXOMARKはコメントしています。

以下の画像は、左からiPhone 11 Pro Max、Huawei Mate 30 Pro、Samsung Galaxy Note 10+ 5Gで撮影した写真を並べたもの。iPhone 11 Pro Maxで撮影した写真は温かみを感じる色合いになっている一方、Huawei Mate 30 Proは冷たさを感じる色合いとなっています。DXOMARKは3つのデバイス全てが優れたカラーレンダリングを提供すると述べていますが、iPhone 11 Pro Maxが最善を尽くしているようだと評価しました。


また、新たにiPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxのカメラで利用可能となったDeep Fusionについても、DXOMARKは「写真のディテールと質感を著しく改善した」と評価しています。一方、非常に暗い場所ではディテールが見落とされ、多くの照明条件でノイズが見られるなど、残念ながら最高レベルのスマートフォンカメラであるとはいえないとのこと。

以下の画像は、同じ場所の風景写真を3つのデバイスで撮影したもので、左からiPhone 11 Pro Max、Huawei Mate 30 Pro、Samsung Galaxy Note 10+ 5Gとなっています。赤枠で囲った部分を拡大すると……


このようになります。3つの中で最も優れたディテールを反映しているのはHuawei Mate 30 Proですが、イメージセンサーの小さいiPhone 11 Pro Maxもかなり優れているとのこと。Samsung Galaxy Note 10+ 5Gは、3つの中では最もノイズが大きいとDXOMARKは指摘しました。


DXOMARKは、以下の画像で使われている「ボケモード」についても「いい結果を示した」と述べつつも、iPhone 11 Pro Max以上に良好なボケモードを実現するカメラが存在すると指摘。


望遠カメラについては、「ズーム時の画質は改善され、近距離での撮影結果は非常に良好です」と認めつつも、より長い距離をズームするとノイズが増してディテールが怪しくなるとのこと。望遠カメラで遠距離撮影をした場合については、Huawei Mate 30 Proなどのレベルに達していないとDXOMARKは述べています。

一方、新たに搭載された超広角カメラに関しては、「画質はちゃんとしているが、他のほとんどのデバイスと同様にメインカメラで撮影したものとはかけ離れています」という評価に。それでもカラーレンダリングやダイナミックレンジは問題なく、質感は一部の競合他社より優れており、画面の端に見える顔のゆがみもかなり制御されているとのこと。


DXOMARKはiPhone 11 Pro Maxで撮影するムービーはスマートフォンのカメラで見た最高のものであり、Xiaomi Mi CC9 Pro Premium Editionに匹敵するとコメント。非常に広いダイナミックレンジを有しており、露出もほとんどの条件で良好かつカラーレンダリングも快適、ムービーのオートフォーカスも非常に優れていると述べています。なお、屋内での撮影時にはホワイトバランスが不安定になることもあるそうですが、それを考慮しても十分に高い評価となった模様。

以下では、実際にDXOMARKがiPhone 11 Pro Maxを使って屋外で撮影したムービーを見ることができます。

Apple iPhone 11 Pro Max, outdoor video - YouTube


Apple iPhone 11 Pro Max, outdoor video, panning - YouTube


DXOMARKは全体としてiPhone 11 Pro Maxのカメラが非常に優れていると評価しており、新たに搭載された超広角レンズについても「私たちが見た中で最も広い視野を持つレンズの1つです」とコメント。長距離でのズームパフォーマンスやボケモードは最高レベルの水準ではないものの、これらの点が優先事項でない場合や、iOSのエコシステムに慣れているユーザーにはオススメできると述べました。

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in モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by log1h_ik

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