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40年以上前に発売されたApple IIが現役で稼働している博物館がロシアにある

by Marco Verch Professional Photographer and Speaker

Appleが1977年に発売したApple IIは、当時ではまだ普及していなかったパーソナルコンピューターの先駆けといえる存在です。ソビエト連邦の初代指導者ウラジミール・レーニンが没した地として知られるゴールキ・レーニンスキエレーニンにあるレーニン博物館では、展示品の制御のためにいまだにApple IIが稼働しています。

Russia's Retro Lenin Museum Still Runs on Decades-Old Apple II Computers - Atlas Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/retro-apple-computers-lenin-museum-russia

Apple IIが制御しているものは、ガラス製の箱の中に設置されたジオラマのような展示品。ボタンを押すと内側のライトが点灯し、精巧な人形や小道具に囲まれたイメージがライトアップされるという仕掛けで、持続時間が短いながらも三次元的に稼働する展示物とのこと。この展示物は複数の種類が存在しており、中には等身大の人形が備わったものもあるそうです。

By YURI LITVINENKO

博物館の建造計画が始まった1980年ごろ、1924年に没したレーニンに関するありとあらゆる情報はすでに調べ尽くされており、展示物のアイデアは次第になくなりつつありました。そこで持ち上がったのが、前述のような視覚的な展示物です。しかし、実際に展示物を作成してみると、ライトやモーター、オープンリール式のプレーヤーを1秒のズレも許さないほどキッチリと同期させる必要があると判明しました。

この問題を解決してくれたのが、Apple IIです。1981年にイギリスのオーディオビジュアルに関するソフトウェア企業Electrosonicが「ES4000」という複数の電子機器を備えた展示物制御用のソフトウェアを発売。ES4000はApple IIに最適化されたハードウェア拡張機能を有していたため、博物館側はApple IIを購入しようとしました。

しかし、1つの問題が発生します。その問題は、「外国企業の直接取引を禁じる」という当時のソビエト連邦の法律です。この問題を回避するため、ソビエト連邦の商工会議所のイギリス支部が具体的な取引を仲介したとのことで、公式には「Electrosonicはソビエト連邦にはコンピューターを持ち込んでいない」ということになっているそうです。

by _ghosty_

その後に生じたソビエト連邦崩壊などを乗り越え、Apple IIはゴールキ・レーニンスキエレーニンのレーニン博物館で稼働し続けています。40年前のApple IIを補修を行うためだけに、引退をやめたスタッフもいるそうです。その一方で、Apple IIが制御する展示物は10年から15年ごとに交換されています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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