Facebookによる暗号化計画に司法長官が「バックドアが必要」と中止要請

by Maria Ziegler

Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOに対して、ウィリアム・バー司法長官が、Facebookのメッセージングサービスにおけるエンドツーエンドの暗号化計画を中止するよう要求したことが明らかになりました。

Barr asks Facebook's Zuckerberg to stop end-to-end encryption plans | Fox News
https://www.foxnews.com/tech/ag-barr-facebook-zuckerberg-stop-end-to-end-encryption

Facebookではエンドツーエンドの暗号化を実現しているメッセージングサービス「WhatApp」を傘下に置いており、メッセージングサービスの統合推進計画の一環として、Facebook MessengerとInstagramにも同じようなエンドツーエンド暗号化を施す予定です。

しかし、Facebook宛の書簡の草稿を入手したFox Newsによると、バー司法長官は、Facebookがユーザーの安全性を損なうことなく、一方で大衆保護のために「通信内容に合法的にアクセスする手段」、すなわち何らかのバックドアを設けない限り、暗号化計画を中止するべきであると要求しているとのこと。

バー司法長官は以前から「犯罪者に合法的な監視を受けない手段を与えることは、必然的に犯罪活動の拡大を促進することになる」という姿勢を取っており、Facebookに対しての書簡で「データ保護の必要性と公共の安全性、さらに将来の犯罪活動防止のために必要な情報にアクセスする必要性を両立させなければ、法執行機関が犯罪者や虐待者を阻止できなくなる」と主張しています。書簡にはバー司法長官のほか、国土安全保障省のケビン・マカリーナン長官、イギリスのプリティ・パテル内務大臣、オーストラリアのピーター・ダットン内務大臣も署名しています。

これに対してFacebookの広報担当者は「世界中どこにいても、オンラインでプライベートな会話をする権利がある」と主張し、アメリカでもイギリスでも、法律において有効な法的要求があった際に利用可能な情報を提供することが求められているものの、バックドアを設けることは義務づけられていないと反論しています。