「Googleに社内の差別や嫌がらせを報告したら報復にあった」という従業員の生の声が文書で公開される
by Paweł Czerwiński
Googleは長年「Don't be evil(邪悪になるな)」という行動規範を掲げていますが、近年はセクハラや差別の告発が続いており、この行動規範の実現が難しい職場になっているといわれています。社内での差別や嫌がらせについてGoogleに告発した従業員が報復にあった、とする報道が相次いでおり、その被害報告をまとめた文書の全文が公開されました。
Examples Retaliation at Google
https://www.documentcloud.org/documents/6427199-Examples-Retaliation-at-Google.html
45 Google Employees Explain How They Were Retaliated Against for Reporting Abuse - VICEhttps://www.vice.com/en_us/article/vb53wy/45-google-employees-explain-how-they-were-retaliated-against-for-reporting-abuse
2019年9月9日、「ハラスメントを報告したGoogle社員45人が報復を受けた」と海外ニュースメディアのRecodeが報じました。Recodeは、数十人の従業員の経験が記された文書の存在を明らかにしましたが、その文書自体は公開されませんでした。
Google employees say they were retaliated against for reporting harassment - Voxhttps://www.vox.com/recode/2019/9/9/20853647/google-employee-retaliation-harassment-me-too-exclusive
しかし、新たに、VICEがこの文書の全文を入手し、匿名のGoogle社員から文書は本物であると確認がとれたことから内容の公開に踏み切りました。
以下がその文書。Googleの従業員がそれぞれに自分の経験を語っており、「セクハラ発言を報告したら処罰された」「肉体的な報復の恐怖」「非倫理的な行動を報告したことで、10年以上にわたる経験が妨害された」といった内容が記されています。
Examples Retaliation at Google
https://www.documentcloud.org/documents/6427199-Examples-Retaliation-at-Google.html
従業員の経験した内容の一例は以下の通り。
「私はLatinXを自認している女性ですが、これまでに露骨な人種差別、性差別を同僚から受けてきました。この件について私は報告を行ったので、マネージャーも、ディレクターも、差別した同僚のマネージャーも人事部も性差別の事実を知っているはずですが、何も起こりませんでした。また、もし今後も同じような報告を続けるのであれば、事態はより深刻になるという警告も受けました。よく聞かれることですが、『男性を守る』という空気が感じられました。誰も被害者である私を守ってくれませんでした。Googleは違うと思っていたのに」
「マネージャーに対し女性から多くの不満が上がっていましたが、彼に対して何の処罰もなく、彼の下で従業員は苦しめられ続けました」
「会社に入った後、Googleには幻滅しました。露骨な女嫌いや執念深いマネージャー、ガスライティングなど、離れられると思っていた全てを、1年目にして目の当たりにしました」
「Nワードの冗談をいう同僚について報告しましたが、人事部は特に何もしませんでした」
by Steve Johnson
「チームに入ってから何年もマネージャーから差別と嫌がらせを繰り返し受けてきました。被害者は私だけではないという証拠があります。でも声を上げても大丈夫だと、誰も感じていません」
「女性社員が軽視され、侮辱され、無視される状況を何度も見てきました。チームに長くいる人間として、マネージャーに問題を解決すべく1対1で話しあうことを提案しましたが、これによりテックリードという役割から下ろされ、別のチームに移されてしまっため、問題のマネージャーの下には女性だけが残されるという状況になりました」
「前のチームにいたとき、テックリードからセクハラを受けました。すぐにマネージャーに報告しましたが、『過剰反応』『乗り越えるべき』と言われました」
なお、Google人事部のヴァイスプレジデントであるEileen Naughton氏は「不正行為を報告することは勇気のいることですし、私たちは懸念の声を上げる従業員に対し、サポートとケアを提供したいと考えています。私たちに報告された不正行為は全て厳しく調査されています。また過去数年間にわたり、私たちは従業員が懸念を伝える方法をシンプルにし、Google社内における調査の透明性を上げてきました。どのように問題にあたり、どのような行動を取るのか、私たちは極めて高い透明性の中で動いています」とコメントしています。
しかし、Naughton氏の発言に対し、現場からは「差別や報復と戦っているとするGoogleの主張を目にするのは腹立たしいです。大抵は、不都合なことを隠して被害者や告発者を会社から追い出すのが慣例です」という従業員の声も上がっているとのことです。
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