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香港の混沌としたイメージを払拭すべく香港政府がPR会社に依頼するも全社から断られる

by Studio Incendo

2019年6月に始まった香港のデモ活動では、地下鉄や空港が封鎖され、街で火炎瓶や石を投げつけたデモ隊に対して警察が催涙ガスや放水銃を使用するなど混乱が依然として続いています。ビジネスの中心地として栄えていた香港のこのようなイメージを払拭すべく、香港政府がPR会社にオファーをかけていたことが判明しました。ただし、オファーのあったPR会社各社は、いずれも「PR活動を行うことで『香港政府を支持した』として自社の悪評につながる」と考え、仕事を断ったそうです。

Quotation External Communication
https://www.documentcloud.org/documents/6409936-Quotation-External-Communication.html

Exclusive: The Chief Executive 'has to serve two masters' - HK leader Carrie Lam – full transcript - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-hongkong-protests-lam-transcript-excl/exclusive-the-chief-executive-has-to-serve-two-masters-says-hong-kong-leader-carrie-lam-full-transcript-idUSKCN1VX0P7

Revealed: Failed Hong Kong Govt PR Plan To Salvage Global Reputation
https://www.holmesreport.com/latest/article/revealed-failed-hong-kong-govt-pr-plan-to-salvage-global-reputation

Hong Kong protests: government fails to find PR firm to rescue battered image | World news | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2019/sep/17/hong-kong-protests-government-fails-to-find-pr-firm-to-rescue-battered-image

犯罪容疑者の中国本土への身柄引き渡し手続きを簡略化する逃亡犯条例改正案をめぐって、香港では4月・5月にデモや反対集会があったのち、2019年6月9日に主催者発表で100万人規模の大きなデモが発生。国際的にも大きな注目を浴びる中、2019年9月16日で100日目を迎えました

大規模かつ長期にわたるデモを受けて、香港の林鄭月娥行政長官は2019年9月4日に改正案の撤回を正式に発表。しかし、デモ隊は改正案の完全撤回のほかに、「市民活動を『暴動』とする見解の撤回」「デモ参加者の逮捕、起訴の中止」「警察の暴力的制圧の責任追及と外部調査実施」「林鄭氏の辞任と民主的選挙の実現」を求めており、以前として抗議行動は続いています。


そんな中、2019年9月12日付で、林鄭長官が8月末に香港のイメージの再起を図るため国際的なPR会社8社に対してアプローチしていたことをロイターが伝えました。しかし、8社のうち4社は「香港政府を支持することで悪評が立つ」ことから依頼をすぐさま拒否。そして2019年9月17日付でイギリスの新聞社The Guardianは、8社全てが依頼を断ったことを伝えました。

The Guardianの取材に対して香港政府の情報サービス部は、同様の計画は当面のところ予定されていないと発表していましたが、9月17日のプレスカンファレンスで林鄭長官は「香港の評判が受けたダメージを回復させる大規模なキャンペーンをスタートする時が来ると思います」とコメントしています。


香港デモの抗議者たちの存在は、「法律に支えられたビジネスや金融ハブ」としての香港の立ち位置に疑問を投げかけています。香港政府はPRによってこの懸念を払拭し、中国とは異なる独自の法制度と貿易を持つ「一国二制度」という香港の強みを強調したいと考えていました。PR会社とのミーティングに使われた香港政府の資料には「海外の重要なマーケットにおける香港の信頼を保つため、ネガティブな見解に対処したい」「他の地域にはない、香港の特性や強みを強調したい」と記されています。

香港政府の行動について、PRコンサルタントであるAndy Ho氏は、「政府が大衆の要求を処理するための具体的な行動を取らない限り、PRキャンペーンは意味がありません」とコメント。香港政府は9月はじめに「あなたがソーシャルメディアで読んだり、見たり、聞いたりしたことは、社会・経済・政治の複雑なジグソーパズルの一ピースにすぎません。これは私たちが自分自身で解くパズルなのです」というフレーズの広告を全世界の新聞で掲載しました。しかし、テレビをつければ抗議者が催涙ガスを受け、地下鉄や空港が封鎖される映像が流れるなかで、このような広告は「効果がない」とHo氏は一蹴しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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