冗談から始まり世界的に認知されるようなった記念日「パイナップルの日」

By BarbaraNeveu

近年では行き過ぎた商業主義によって、「特定のモノを売るために、記念日を作ろう!」という動きが加熱しており、毎日が何らかの記念日となっています。6月27日は「パイナップルの日」として国際的に認知されつつあるのですが、これは何気ない「冗談」から始まった商業主義とは無縁の記念日だそうです。

Pineapple Day: How I Started a Global ???? Holiday • Andrew's Blog
https://startupandrew.com/posts/how-i-started-pineapple-day-holiday/

「パイナップルの日」は2011年にモバイル&ウェブアプリケーションの開発プラットフォームであるFirebaseから始まった記念日です。2014年にFirebaseはGoogleに買収されることとなりますが、2011年当時の社員はたったの2人で、創業者のジェームズ・タンプリンさんとアンドリュー・リーさんだけでした。2011年6月27日、アンドリューさんは突然「パイナップルを食べたい」という猛烈な欲求にとらわれ、パイナップル丸ごと1個を買って職場に持ち込んだそうです。

By Rawpixel

アンドリューさんはパイナップルを自分のデスクに載せ、出勤してきたジェームズさんに「今日は『パイナップルの日』なんだけど、キミはパイナップルを持ってこなかったのかい?」と話しかけたとのこと。しかし、ジェームズさんは「そんなはずはないだろ?」と反論。それを受けて、アンドリューさんは自社のGoogleカレンダーの6月27日に「パイナップルの日、自分のパイナップルを会社に持ってこよう」として登録し、「パイナップルの日」が毎年繰り返し表示されるように設定したそうです。その日の夜に投稿されたアンドリューさんのツイートからは、「パイナップルの日」の認知率の低さに対する憤りが感じられます。

「最低の『パイナップルの日』だ。私以外誰もパイナップルを会社に持ってきていないなんて」


翌年の2012年6月27日、アンドリューさんはすっかり「パイナップルの日」のことを忘れてしまっていたそうです。しかし、出社すると、新入社員のマイケルさんのデスクには大きくて新鮮なパイナップルが置かれていました。

By viki2win

「なぜパイナップルが……」と困惑するアンドリューさんとジェームズさんに対して、マイケルさんは「カレンダーには『パイナップルの日:パイナップルを会社に持ってこよう』と書いてあったんですけど……。あなたたちはパイナップルを持ってこなかったんですか?」と返したとのこと。

この一件をもって、アンドリューさんは6月27日をFirebaseの記念日に決定。「『パイナップルの日』を元日や独立記念日、エイプリルフールに並ぶほどの一大記念日にしよう」と思うようになったそうです。

2013年以降にFirebaseで開催された「パイナップルの日」については、記念写真が残されています。2013年の写真は以下。


「パイナップルオレンジ寿司」なるもので「パイナップルの日」を祝う社員も。


2014年の「パイナップルの日」にはおのおのが持ち寄ったパイナップルの品評会が行われました。


テープ入刀ならぬパイナップル入刀も。


2014年10月にFirebaseはGoogleに買収されたため、2015年の「パイナップルの日」はGoogleで祝われました。以下がその様子で、中央にはパイナップルマンもいて、Googleに「パイナップルの日」文化が受け継がれたことがわかります。


2016年には、Googleのヨーロッパやカナダの社員も加わって「パイナップルの日」を祝ったとのこと。


パイナップルをくりぬいてランタンを作るクリエイティブな社員も。


2017年にはジェームズさんがFirebase社の企業文化として「パイナップルの日」を紹介。以下のムービーで、ジェームズさんがパイナップルの日の歴史について説明する様子を見ることができます。

#MeetFirebase with James Tamplin, co-founder of Firebase - YouTube


2017年のパイナップルの日には人間よりも大きいサイズのパイナップル型風船が置かれていたそうです。以下の画像には人の後ろにパイナップル型風船の一部が写っています。


2018年にはFirebaseに「window.guessWhatTodayIs = "byptwd"(window.今日は何の日 = "会社にパイナップルを持ってこよう")」という隠しコマンドが登場。


2019年のFirebaseサミットの告知はパイナップルがアピールされていました。


アンドリューさんによると、2015年の「パイナップルの日」はSNS上でブームとなり、その結果、記念日を登録する多数のウェブサイトが「パイナップルの日」を認知するようになったとのこと。さらに日本ではケチャップでおなじみのデルモンテや、バナナやパイナップルなどの青果販売大手のDoleなどが「パイナップルの日」に参加。パイナップルの日の認知度は次第に高まっています。


「あなたがこの地球規模のイベントである『パイナップルの日』に参加し、地球上の75億人すべてにパイナップルの愛をもたらす助けとなってくれることを願っています」

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in , Posted by darkhorse_log

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