45年間も物理的に受け継がれるスープの秘密とは?
日本では何十年も継ぎ足したタレがうなぎや焼き鳥に使われていることがありますが、タイには45年間も巨大な鍋で継ぎ足し続けられた牛肉麺のスープが存在します。「時間によって独特の風味と香りが生まれた」という、秘伝のスープに迫ったムービーがYouTubeで公開中です。
This Soup Has Been Simmering for 45 Years - YouTube
料理に必要なのは材料・道具・時間ですが、タイのバンコクには、この「時間」という部分に重きを置いたお店が存在します。
お店の中には巨大な鍋。
「Wattana Panich restaurant」というお店では実に45年もの間、継ぎ足しでスープが作られ続けています。
写真の男性が店主のNattapong Kaweenuntawongさん。
何十年間も受け継がれる秘伝のレシピは数あれど、このレストランで提供される「neua tune」という牛肉麺は文字どおり45年間、同じ鍋で、同じ煮汁で、継ぎ足しながら作られ続けています。
これがそのスープ。
牛スジを使ったスープは、よく見ると表面に膜が張っているのがわかります。
いつ行っても混雑しているというお店が人気なのは、45年間にわたって煮続けられているスープが独特の味と香りを持っているためだとのこと。
店内の様子。
スープの味に対して親指を立てる男性も。
Kaweenuntawongさんによると、お店のスープは1日の終わりに捨てられることなく、翌日のスープとして使われるとのこと。このような食べ物のことを「永久シチュー」「ハンターのシチュー」と呼ぶ文化もあります。
日中はお店でことこと煮込まれます。時間が立てば立つほど、スープは風味を増していくわけです。
基本的な牛煮込み麺の材料は、煮込んだ牛肉、スライスした生の牛肉、ミートボール、牛の胃といったモツなど。
黒っぽいスープの中に煮込んだ牛肉とレアの薄切り肉が浮かんでいます。
鍋の横にある黒い塊は、こぼれたスープが45年間蓄積していったもの。
液体のはずのスープがもはや塀のようになって鍋を守っているように見えます。
お店は家族で営まれており、午前中はKaweenuntawongさんの母親がお店の番をして、午後から夜はKaweenuntawongさんがお店に立ちます。
給仕などはKaweenuntawongさんの妻が行っているそうです。
お店の三代目であるKaweenuntawongさんには3人の子どもがおり、いつの日か子どもが4代目となることをKaweenuntawongさんは願っているとのことです。
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