普段からどれだけ説明文を読み飛ばしてウェブサイトを閲覧しているのかを痛感させられる「User Inyerface」
インターネットでウェブサービスを利用するとき、メールアドレスなどの個人情報を登録したり、さまざまな規約に同意したりする必要があります。しかし、実際は利用規約や細かい文言を読み飛ばしてしまっている人も多いはず。「User Inyerface」は、あえてユーザーの誤解を誘導するようなサイトデザインを採用することで、「日常的にどれだけウェブサイトに書かれているメッセージを読み飛ばしてしまっているのか」をゲーム感覚で体験できるサイトです。
User Inyerface - A worst-practice UI experiment
https://userinyerface.com/
User Inyerfaceにアクセスすると、「どうも、User Inyerfaceへようこそ。ここではユーザーインタラクションとデザインパターンを挑戦的に探求します。ゲームをプレイするにはできるだけ速く正確にフォームへ記入してください」というメッセージが、青い背景に緑色の字で表示されます。その下に大きく表示されている緑色のボタンをクリックしそうになりますが、よく見るとボタンには「NO」と書かれていて、クリックしても何も起こりません。
よく見ると、NOボタンの下に「Please click HERE to GO to the next page(ここをクリックして次のページへ進んでください)」というテキストを発見。しかし、下線のある「click」やテキストカラーの違う「next page」をクリックしても変化なし。そこで「HERE」をクリックすると……
タイマーと記入欄が表れました。同時にページ上部には「このサイトはCookieを使っています。何か問題がありますか?」というメッセージが赤い背景と共に出現。メッセージを消すために大きく表示される「Yes」のボタンをクリックしたくなりますが、「問題は『ない』ことを示すのであればNoをクリックしないといけないのでは?」と考え、「Not really, no」をクリックするとメッセージは消えました。
Cookie許可のメッセージに動揺している間に、画面中央に表示されるタイマーが刻々と進んでいきます。1分を過ぎると以下の画像のように「Hurry up, time is ticking!(急いで、時間が迫っています!)」という警告がポップアップして画面がロックされました。ポップアップを削除しようと右上をクリックしますが……
よく見るとポップアップの右上にあったのは「×」ではなく拡大アイコンだったため、ポップアップが画面全体を覆ってしまうという結果に。
ポップアップをどうしても消すことができないので、画面右下に表示されている「How can we help?(お困りですか?)」の欄に「Unable to close popup. What should I do?(ポップアップを閉じることができません。どうしたらいいですか?)」と質問を入力し、「Send」をクリック。しかしよく見ると「Send」に続いて「to bottom」と書いてあったことに、クリックしてから気づきます。
ボタンに書かれていた通り、スーッと静かに画面外へ沈んでいくヘルプ欄。もはや誰も助けてくれないのか……と悲しい気持ちになったところが以下の画面。
再度アクセスし直して、今度は脇目を振らずに速攻でパスワードとメールアドレスを入力。これまでの反省を生かして、中央の目立つボタンが「Cancel」であることを見抜き、その左にある「Next」をクリック。
しかし、エラーが表示されてしまい、入力した情報を登録することができませんでした。よく見ると、入力欄の下に「パスワードは10字以上」「パスワードには少なくとも1文字は大文字を入れること」「パスワードには少なくとも1文字は数字を入れること」などといった細かい条件が、青い背景に緑の文字で書かれていました。しかし、ただでさえ見づらい配色な上にフォントサイズがあまりにも小さく、視認性は最悪なものとなっています。
条件を満たすようなパスワードやメールアドレスを入力し直そうとしましたが、すぐに1分が経過して、再びタイマーのポップアップが表示され、どうしようもない状態になってしまいました。
User Inyerfaceでは、他にもさまざまな仕掛けが仕込まれているので、気になる人はぜひ自分の目で確かめてみてください。
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