最大帯域幅77.4Gbpsで16KディスプレイやVRをサポートする「DisplayPort 2.0」が発表される
by D-Kuru
コンピューターの映像周辺機器の標準化団体であるVideo Electronics Standards Association(VESA)が、2016年3月以来となるDisplayPort初のメジャーアップデートを2019年6月26日付で発表しました。次世代規格である「DisplayPort 2.0」は、Dispデータ帯域幅が約77.4Gbpsと従来のバージョンから約3倍になり、将来的に普及するであろう16Kモニターやより高画質なVR・ARデバイスへの対応が見込まれています。
VESA Publishes DisplayPort™ 2.0 Video Standard Enabling Support for Beyond-8K Resolutions, Higher Refresh Rates for 4K/HDR and Virtual Reality Applications - VESA - Interface Standards for The Display Industry
https://vesa.org/press/vesa-publishes-displayport-2-0-video-standard-enabling-support-for-beyond-8k-resolutions-higher-refresh-rates-for-4k-hdr-and-virtual-reality-applications/
DisplayPortは、アナログからデジタルに置き換わる時期に新しい映像出力インターフェースとして2006年にVESAによって発表されました。当時、テレビやHDDレコーダーなどデジタル家電ではHDMIが登場していて、記事作成時点でもHDMIとDisplayPortが並行してPCの映像出力規格として採用されています。
2019年6月時点でDisplayPortの最新バージョンである1.4aのペイロード(実効最大)は8.1Gbps×4レーンの25.92Gbps。1.4aは8K解像度・60Hzまでサポートしていますが、4K~8Kではリフレッシュレートによってはディスプレイストリーム圧縮(DSC)が必要で、無圧縮でも完全に対応する解像度は1440pまでとなっています。
今回発表されたDisplayPort 2.0は最大リンクレートが1レーンにつき20Gbpsまで向上し、より効率的な128b/132bチャンネル・コーディングが可能となりました。最大ペイロードは77.37Gbpsで、1.4aのおよそ3倍を実現。この帯域幅によって、DisplayPort 2.0は「8K解像度・リフレッシュレート60Hz」や「フルカラー4:4:4解像度」「10ビットカラーのHDR10メディア」をサポートできる最初の標準規格となる、とVESAは述べています。
DisplayPort 2.0を活用したディスプレイの構成として、VESAは以下の例を示しています。
◆単一ディスプレイの解像度
・16Kディスプレイ/60Hz/30bpp(ビット毎ピクセル) 4:4:4 HDR(DSCあり)
・10Kディスプレイ/60Hz/24bpp 4:4:4(DSCなし)
◆デュアルディスプレイの解像度
・2つの8Kディスプレイ/120Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・2つの4Kディスプレイ/144Hz/24bpp 4:4:4(DSCなし)
◆トリプルディスプレイの解像度
・3つの10Kディスプレイ/60Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・3つの4Kディスプレイ/90Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCなし)
by Mark Krynsky
また、USB Type-Cコネクタを介してDisplayPort規格による映像出力を可能にする「DP Alt Mode on USB Type-C」を使ってマルチディスプレイを構成する場合は以下のような構成が可能だとのこと。
・3つの4Kディスプレイ/144Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・2つの4Kディスプレイ(VR・ARヘッドセット用)/122Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCあり)
・1つの8Kディスプレイ/30Hz/30bpp 4:4:4 HDR(DSCなし)
by Games for Change
DisplayPort 2.0はこれまでのバージョンのDisplayPortと互換性があるとのこと。さらに、ビデオフレームで変更された部分だけを更新するという部分的更新機能「Panel Replay」によって電力効率の向上が図られており、オールインワンPCやノートPCなど、解像度の高いディスプレイを搭載した小型エンドデバイスの消費電力および熱性能を最適化するよう設計されているそうです。
VESAは、DisplayPort 2.0を組み込んだ最初の製品は2020年末までに登場するだろうと述べています。
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