サイエンス

なぜ「消臭しにくい匂い」が存在するのか?

By William Malott

服やぬいぐるみ、ソファーなどに付いてしまった「イヤなにおい」をどうにかしようとあれこれ頑張っても「顔を近づけると匂いがまだ残っている……」となってしまった人も多いはず。一方で、すぐに消えてしまう匂いもありますが、その違いは複数の要因によって生まれているそうです。

Why Are Some Smells So Hard to Get Rid of?
https://www.livescience.com/65664-why-smells-linger.html

アメリカ・ミネソタ大学化学科のクリストファー・クラマー教授によると、匂いがどれぐらい残るかは3つの要因で決まるとのこと。

1つ目の要因は「匂いの種類」です。(PDF)2014年の研究によると、人間の鼻と脳は1兆種類もの匂いを嗅ぎ分けることが可能だそうですが、いつまでも残っているように感じられるのは「髪の毛に付着したタバコの匂い」「ソファーについた生乾きの犬の匂い」など、ある程度決まっています。これはクラマー教授によれば、鼻にある匂いを検知する受容体が特定の匂いに強く反応するためだとのこと。

By Markus Spiske

2つ目の要因は「揮発性の低さ」。匂いを放つもととなっている液体の揮発性が高いとあっという間に匂いの供給源がなくなりますが、揮発性が低いと液体として長く残り揮発し続けるため、いつまでも匂いが残ることになります。揮発性が低いため一定時間あたりに放出される「匂いの量」は少ないのですが、人間が敏感に反応する種類の匂いだった場合、受容体に届く分子量の多寡に関係なく匂いを感じ取ってしまうというわけです。

By fotyma

3つ目の要因は「匂いがついた物体の材質」です。髪の毛やカーペット、セメントなどは多孔質で、ミクロレベルの穴があります。この穴に匂いのもとが入り込むと揮発性が低下し、匂いが長く残ることになります。また、イヤなにおいを発する分子の多くは疎水性で、疎水性の材質に入り込むと相乗効果でさらに揮発性が低下します。布やカーペットに含まれるポリマーは多孔質、かつ疎水性なので、イヤなにおいが特に長くのこることになるそうです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log

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