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ネガティブな評価をより建設的に伝えるためのポイントとは?


相手の失敗や、よくない点について伝えるのは気が引けるものですが、相手を傷つけずに効果的にフィードバックを行うにはどうすればよいのかについて、エンジェル投資家でありスタートアップのコーチングを行っているデイブ・ベイリーさんがブログに掲載しています。

How to Deliver Constructive Feedback in Difficult Situations
https://medium.dave-bailey.com/the-essential-guide-to-difficult-conversations-41f736e63ccf

新たなビジネスを立ち上げる場合にはそのビジネスの顧客が何を必要としているのか、どんな気持ちを持っているのかなどを理解する必要があるため、多くの起業家は高い共感力を持っています。しかし、ネガティブな評価を伝える際にはその共感力によって伝えられる側の気持ちを考えてしまい、うまく伝えられない場合があるとベイリーさんは指摘しています。


そこでベイリーさんがオススメしているのが「非暴力コミュニケーション(Nonviolent Communication、NVC)」というコミュニケーション方法で、NVCを使うことで批判したり侮辱したりすることなく必要な情報を伝えることができるとしています。NVCの基本形としてベイリーさんは以下の文を取り上げています。

[観察内容] の時、私は [普遍的なニーズ] が必要なので [感情] のように感じたのですが、 [要求] してもらえませんか?


一見すると簡単そうに見えますが、実践するのは難しいもの。4つの空欄に実際に内容を入れて使用する上で重要な問題となる微妙なニュアンスの違いをベイリーさんはいくつかの例をあげて解説しています。

◆観察
観察とは、実際に見聞きしたものの事です。人間の基本的な習性として、何かを観察した際には脳内で自動的に物語が構成されてしまうというものがあり、私たちは何かを見聞きした瞬間に善悪などの判断を下してしまいがちです。この脳内の判断によって作り出された善悪などの指標は評価ですが、観察と評価を分けるのは難しいことだとベイリーさんは述べています。

また、ベイリーさんは観察と評価の違いについていくつかの例をあげて説明しています。

評価:「あなたは怠け者ですね」(性格への攻撃)
観察:「先週ドキュメントを送ると聞いたのですがまだ受け取っていません」

評価:「あなたの仕事はずさんですね」(批判)
観察:「報告書の数字が3つ間違っていました」

評価:「あなたはいつも遅刻しますね」(一般化)
観察:「あなたは今朝の会議に10分遅れました」

評価:「あなたは私を無視しました」(暗黙の意図)
観察:「以前送った2通のメールの返信をまだ受け取っていません」

評価と観察を見分けるコツは「実際に見聞きした出来事は何だったのか」を自問自答することだとベイリーさんは述べています。


◆普遍的なニーズ
NVCでは全ての人間が同じ要素を求めているととらえ、その要素が満たされなかった場合にネガティブな感情が生まれるとされています。普遍的に求められている要素とは例えば以下のようなものです。

・一貫性
・誠実さ
・敬意
・安心
・理解


ここで大切なポイントとして、ベイリーさんはニーズに「あなたからの~」という文を入れないことを述べています。「私は支援が必要」というのは普遍的なニーズですが、「あなたからの支援が必要」としてしまうと「あなたは私を支援していない」という非難として解釈される恐れがあるとのこと。

◆感情
感情を伝えることは他人に大きな影響を及ぼします。多くの場合、「怖い」「心配」「恥ずかしい」「悲しい」などの言葉が使われます。「~と感じる」という言葉が入っていても、例えば「あなたが真剣ではないように感じる」というのは思考であり、感情ではないという点に注意が必要とのこと。感情で表すと「私は不満です」となります。

また、ベイリーさんは感情の中で特に「怒り」に注意が必要だと述べています。怒りを感じている際にはNVCのことを忘れがちであるため、コミュニケーションを行う前にまず何について怒を感じているのかを把握しておくことが大切とのこと。


◆要求
要求は満たされていないニーズを満たすために出されます。ベイリーさんは要求を出す際に役立つ原則を解説しています。

・具体的にする
「もっと他人に敬意を払ってください」などの曖昧な要求は避け、敬意を表すための具体的な行動を詳しく説明するのがよいとのこと。

・してほしくない事ではなく、してほしい事を言う
どのような行動を行ってほしいのかについて具体的に伝える必要があります。否定形でしか要求が出てこない場合、何をしてほしいのかを時間をかけてハッキリさせておくことが大切だとベイリーさんは述べています。


ネガティブな評価を伝える際には、メールではなく対面して、非常に簡潔に伝えるのがよいとも述べられています。こうした点に注意して作成された実際の例をベイリーさんは3つ取り上げています。

・共同創設者への意見
「『あなたの仕事ぶりに不満がある』とチームの前で言われた時、私は信頼を失ったように感じて恥ずかしかったです。週に1度、2人だけでミーティングを開きませんか?」

・投資家への意見
「過去3カ月の間、月次報告に返信いただいておりません。私には情報が必要なので心配に思っています。先月の報告に記載した質問への返答をお願いできませんか?」

・チームメイトへの意見
「あなたは3回連続でミーティングに10分遅刻しましたが、私たちはチームとして効率性が必要で不満を感じています。何が起きているのか、あなたの事情を教えてもらえませんか?」

こうした思いやりのあるリーダーシップを用いることで、対立をよりうまく乗り越えていけるのだとベイリーさんは述べています。

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in メモ, Posted by log1d_ts

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