太宰治の「人間失格」を本広克行×木﨑文智×冲方丁×ポリゴン・ピクチュアズが再構築し「HUMAN LOST 人間失格」として劇場アニメ化
シカゴで開催されたポップカルチャーイベント「Chicago Comic & Entertainment Expo(C2E2)」のステージイベントで、太宰治の小説「人間失格」をダイナミックにリメイクした劇場アニメ「HUMAN LOST 人間失格」の2019年全世界公開が発表されました。
「HUMAN LOST 人間失格」公式サイト
https://human-lost.jp
木﨑文智×ポリゴン・ピクチュアズ×冲方丁 新企画公式(@HL_Project2019)さん | Twitter
https://twitter.com/HL_Project2019
2019年は太宰治の生誕110周年。「HUMAN LOST 人間失格」は、太宰治の「人間失格」を再構築する形で制作されます。ティザービジュアルにはまるで血の涙を流しているかのような大庭葉藏が描かれています。
あらすじは以下の通り。
「恥の多い生涯を送って来ました。」
医療革命により、“死”を克服した昭和111年の東京――
人々は体内の“ナノマシン”とそれらを“ネットワーク”により管理する“S.H.E.L.L.”体制の支配により、病にかからず、傷の手当を必要とせず、120歳の寿命を保証する、無病長寿を約束された。
しかし、その究極的な社会システムは、国家に様々な歪を産み出す。埋まることのない経済格差、死ねないことによる退廃的倫理観、重度の環境汚染、そして、S.H.E.L.L.ネットワークから外れ異形化する“ヒューマンロスト現象”……。
日本は、文明の再生と崩壊の二つの可能性の間で大きく揺れ動いていた。
大気汚染の広がる環状16号線外――イチロク。
薬物に溺れ怠惰な暮らしをおくる“大庭葉藏”は、ある日、暴走集団とともに行動する謎の男“堀木正雄”とともに特権階級の住まう環状7号線内への突貫に参加し、激しい闘争に巻き込まれる。
そこでヒューマンロストした異形体――“ロスト体”に遭遇した葉藏は、対ロスト体機関“ヒラメ”に属する不思議な力をもった少女“柊美子”に命を救われ、自分もまた人とは違う力を持つことを知る――
堕落と死。生と希望。男は運命に翻弄され、胸を引き裂き、叫ぶ。
怒り。悲しみ。憐れみ――絶望に呑みこまれ、血の涙とともに大庭葉藏は“鬼”と化す。
貴方は、人間合格か、人間失格か――
ティザーPVも公開されています。
「HUMAN LOST 人間失格」ティザーPV
あらすじと合わせて、我々の知る「人間失格」とは大きく異なる作品であることがうかがえます。
スーパーバイザーは「踊る大捜査線」「PSYCHO-PASS サイコパス」の本広克行。監督は「アフロサムライ」「バジリスク 〜甲賀忍法帖〜」「BAYONETTA BLOODYFATE」の木﨑文智。脚本は「マルドゥック・スクランブル」「天地明察」「光圀伝」「十二人の死にたい子どもたち」などの作品を生んだ小説家であり、「蒼穹のファフナー」「攻殻機動隊ARISE」「PSYCHO-PASS サイコパス2」などアニメの脚本・シリーズ構成も手がける冲方丁。キャラクターデザインはゲーム「Pokémon GO」「ファイアーエムブレム」やアニメ「GODZILLA 怪獣惑星」「ブブキ・ブランキ」などを手がけたコザキユースケ。コンセプトアートは「ファイナルファンタジーXI」「メタルギア ライジング リベンジェンス」などの大規模プロジェクトに参加してきた富安健一郎。アニメーション制作はアニメ映画「GODZILLA」三部作や「亜人」「シドニアの騎士」などを制作したポリゴン・ピクチュアズが担当。そして、主人公・大庭葉藏役は「文豪ストレイドッグス」の太宰治役であり、「GODZILLA」ハルオ・サカキ役や「亜人」永井圭役などでも知られる宮野真守が演じます。
メインスタッフとキャストからは以下のようなコメントが寄せられました。
大庭葉藏役 宮野真守さん:
誰もが知る、太宰治の傑作「人間失格」を原案とした、日本発のダークヒーローが誕生しました!本作は、最新の映像技術を駆使した痛快なアクションの中に、日本人だからこその精神性、わびさびのある世界観が展開される、まさに日本人にしか作れないエンターテイメント作品です。世の中に翻弄され、「生」と「死」のなんたるかを突きつけられ、苦しみながら、それでも進んでいく葉藏の姿から、皆様にも是非、「生きる」とはどういう事か、感じていただきたいです。公開をお楽しみに!
スーパーバイザー 本広克行さん:
この著名な文学作品を近未来SFへ置き換えるにあたり、世界観に「現代」を反映させるための設定を幾つか提案しました。その後、脚本の冲方さんと木崎監督が作品にドライブをかけ、現場を支えて下さったスタッフの皆さんと共に長い長い道のりを踏破して遂にここまで辿り着いた事へ、心から敬意を表します。まさに今、われわれが直面している問題の数々が織り込まれた、見応えのある作品になっているので、ご期待ください。
監督 木﨑文智さん:
近代古典文学『人間失格』を"SFエンタテイメント作品"として再構築する。「そんな事が可能なのだろうか」と、先の見えない深い靄の中を踠きながらの作業でもありました。多くのスタッフの尽力で制作した本作『HUMAN LOST 人間失格』も、原典と同じく多くの方々の心に刺さってくれる事を切に願っております。
ストーリー原案・脚本 冲方丁さん:
日本の古典文学をSFアクションとして再継承する試みはしばしばみられますが、本企画は中でも一段突きつけたものとなった、という予感を抱いています。実際どうであるかは視聴者や後世の批評家に判断を委ねるばかりですが、文芸サイドの担当者としては、多くの日本人が心の底で無意識に継承する社会的ビジョンを鋭く切り抜いた作品になったと感じています。「人間を失格する」という今なお刺激的な言葉の向こう側で我々が見出したもう一つの日本の未来を、どうか御覧下さい。
キャラクターデザイン コザキユースケさん:
アニメーション映画『GODZILLA』三部作に引き続き、ポリゴン・ピクチュアズさんでの作品に参加させて頂き、大変嬉しく思います。今作、素晴らしい実績のスタッフの皆様と共に、観た事が無いような種類の迫力や不穏さをお届け出来るかと思います。是非、お楽しみにしてください。
コンセプトアート 富安健一郎さん:
この作品の世界観表現(コンセプトアート)は、過去の中に未来を探すような冒険の旅でした。見たことのない完璧な世界を探して、不完全な世界観に限界まで攻めこみました。現代をサヴァイブする人に、この欠落(ロスト)した世界にジャックインして欲しいです。
なお、C2E2のステージイベントには木﨑監督、ポリゴン・ピクチュアズ塩田周三社長、プロデューサーを務める株式会社スロウカーブの尾畑聡明さんが登壇したとのこと。これはイベント告知ツイート。
Join us at #C2E2 for the "Director of Afro Samurai Reveals New Sci Fi Film with @FUNimation" panel with Fuminori Kizaki (Director of Afro Samurai), Shuzo John Shiota (President of Polygon Pictures), & Toshiaki Obata (#PSYCHOPASS)!
— C2E2 (@c2e2) 2019年2月20日
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シカゴ到着時の木﨑監督と塩田社長の姿はこんな感じだったそうです。
【Fuminori Kizaki×POLYGON PICTURES New Project 】
— 木﨑文智×ポリゴン・ピクチュアズ×冲方丁 新企画公式 (@HL_Project2019) 2019年3月21日
シカゴに到着した木崎監督とポリゴン塩田社長。
気温5℃の寒いシカゴですが、明日は寒さを吹き飛ばす熱いイベントしたいと思います!#polygonpictures #fuminorikizaki pic.twitter.com/u1fKdMHgMc
・「HUMAN LOST 人間失格」作品情報
2019年 全世界公開
原案:太宰治「人間失格」より
スーパーバイザー:本広克行
監督:木﨑文智
ストーリー原案・脚本:冲方丁
キャラクターデザイン:コザキユースケ
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ
企画・プロデュース:MAGNET/スロウカーブ
配給:東宝映像事業部
大庭葉藏:宮野真守
©2019 HUMAN LOST Project
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