Microsoftがデュアルスクリーン端末用に軽量版Windowsの「Windows Lite」を開発中か

Microsoftがデュアルスクリーン端末用に、新しい軽量版のWindowsを計画中であると海外メディアのThe Vergeが報じています。名前は「Windows Lite」で、競合製品としてはGoogleのChromebookおよびChrome OSを想定しているとのこと。

Windows Lite: Microsoft’s OS for dual-screen and Chromebook-like devices - The Verge
https://www.theverge.com/2019/3/4/18249679/microsoft-windows-lite-dual-screen-devices-chromebooks-report

Microsoftの内部情報に精通した人物から得た情報によると、Microsoftはデュアルスクリーン端末を念頭に置いた新しいUIの開発に取り組んでいるとのこと。なお、この「デュアルスクリーン端末」は、チップメーカーやPCメーカーの準備次第では、2019年後半にも登場が見込まれるそうです。

このデュアルスクリーン端末搭載用に開発されているのが、Windowsの軽量版となる「Windows Lite」。内部では別のコードネームで呼ばれているとのこと。IntelはOEMに「デュアルスクリーン端末」という新しい種類のハードウェアの開発を促していると報じられており、この裏にはIntelが秘密裏に開発する2画面PC「Tiger Rapids」が存在することは明らか。

Intelが秘密裏に開発する2画面PC「Tiger Rapids」の正体が明らかに - GIGAZINE

そしてMicrosoftも折りたたみ可能なデュアルディスプレイに関する特許を出願していることが知られており、Samsungの「Galaxy Fold」やHuaweiの「Mate X」といった折りたたみ可能なディスプレイを持つスマートフォンの登場を考えると、デュアルディスプレイ搭載のハードウェアをMicrosoftが計画していても何ら不思議はありません。

Microsoftが折り畳み可能なデュアルディスプレイの特許を出願、新型Surfaceデバイスに搭載か - GIGAZINE

Windows Liteのインターフェースは既存のWindowsと似ているものの、実際にはSurface Hubのシェル(OSのユーザー インターフェイス)とWindows 10のモバイル版であるWindows 10 Mobile向けに登場した「Continuum」を組み合わせたもののようになるとのこと。海外メディアのPetriは2018年末にWindows Liteについて報じており、2019年2月にはWindows LiteのOSモックアップも公開しています。なお、The Vergeは「モックアップは正確で、Windows Liteのインターフェースがどのようになっているかに近いと理解していますが、出荷されるまでに状況が大きく変わる可能性もあります」と記しています。

また、Windows CentralはWindows Liteが「Santorini」というコードネームで開発されていると報じており、通常のWindows 10とは異なるたくさん見た目と感覚を持ったシェルになると記しています。さらにZDNetは、「Windows Liteを搭載しているかは不明なものの、MicrosoftがデュアルスクリーンのノートPCのようなデバイスを出荷予定である」と報じています。

これらの情報からMicrosoftがデュアルスクリーン端末向けにWindows Liteを開発していたことは明らかですが、長期的な計画を考えると、同社がChromebookおよびChrome OSとの競合を強化するためにWindows Liteを計画しているということは十分に考えられるとThe Vergeは記しています。

MicrosoftがいつWindows Liteをリリースするのか、また最終的にどのような名称になるのかは記事作成時点では不明です。Microsoftは何年も前からデュアルスクリーン端末向けのOSというアイデアを温めており、Chrome OSがアメリカの学校で多く導入されているという点からも、軽量版Windowsの登場はありそうな方針と思えます。Microsoftは2019年5月に毎年恒例の開発者会議を開催予定で、開発者にデュアルスクリーン向けのネイティブアプリやウェブエクスペリエンスを構築してもらいたいと考えるなら、Windows Liteに関する情報を明らかにするには「理想的な機会」とThe Vergeは記しています。