メモ

世界人口の半数以上が2018FIFAワールドカップを観戦していたことが明らかに、FIFAが視聴者数に関する詳細データを公開


国際サッカー連盟(FIFA)が主催する、4年に1度の世界最大のサッカー大会がワールドカップです。2018年6月にロシアで開催された2018 FIFAワールドカップでは、サッカー日本代表は低い下馬評を覆して決勝トーナメント進出を決め、決勝トーナメント1回戦では敗れはしたものの強豪ベルギー相手に素晴らしい試合を繰り広げ、世界中のサッカーファンから同大会のベストバウトに推す声が挙がったほどでした。そんな2018 FIFAワールドカップの試合を、なんと世界人口の約半数以上がTVやインターネットを通じて観戦していたことがFIFAの発表で明らかになっています。

2018 FIFA World Cup Russia™ - News - More than half the world watched record-breaking 2018 World Cup
https://www.fifa.com/worldcup/news/more-than-half-the-world-watched-record-breaking-2018-world-cup

2018 FIFA World Cup Russia: Global Broadcast and Audience Executive Summary
(PDF)https://resources.fifa.com/image/upload/2018-fifa-world-cup-russia-global-broadcast-and-audience-executive-summary.pdf

2018年6月14日から7月15日までの約1カ月にわたり開催された2018 FIFAワールドカップは、世界中のあらゆる地域で生放送されました。その2018 FIFAワールドカップの視聴者データを調査しまとめたレポートを、FIFAが公開しています。

調査によると、2018 FIFAワールドカップの総視聴者数は35億7200万人でした。これは4歳以上の世界人口の51.3%となり、「あらためてワールドカップが世界で最も注目度の高いサッカーの国際大会であることを示した」とFIFAは記しています。なお、ワールドカップを視聴した35億7200万人のうち、32億6200万人は家のTVで試合を視聴しており、残りの3億970万人はインターネット上での配信やパブリックビューイング、サッカーパブなどで試合を観戦した模様。なお、TVでワールドカップを視聴した人の数は9.5%も増加したそうです。


7月15日に行われたフランス対クロアチアの決勝戦を観戦した人の数は、なんと11億1619万人。そのうち家のTVで試合を視聴した人の数は8億8437万人で、インターネット上の配信やパブリックビューイングなどで視聴した人の数は2億3182万人でした。


2018 FIFAワールドカップの総試合数は64試合で、生放送の平均視聴者数は1億9100万人。これは「それぞれの試合が世界的なTV番組に匹敵するコンテンツということ」とFIFAは記しています。

以下のデータは2018 FIFAワールドカップ(左)と2014 FIFAワールドカップ(右)の視聴者数を比較したもの。1分以上試合を視聴した人の数が、2018 FIFAワールドカップは32億6000万人で、前回大会比で2.2%増加。3分以上試合を視聴した人の数は30億4000万人で前回大会比で10.9%増、20分以上試合を視聴した人の数は26億5000万人で前回大会比で24.4%増、30分以上試合を視聴した人の数は24億9000万人で前回大会比で27.7%増です。前回大会の2014 FIFAワールドカップよりも試合を視聴していた人の数が増加しているだけでなく、視聴時間も増加傾向にあることが分かります。


ライブ配信の視聴者数が多かった試合トップ10は以下の通り。決勝のフランス対クロアチアがもっとも多く、決勝や準決勝など大会山場の試合の視聴者が多くなる傾向ですが、一部グループリーグの試合も混ざっています。グループリーグで敗退したドイツ代表の試合が2つトップ10にランクインしており、優勝候補として多くの注目が集まっていたことがこんなところからも伺えます。


ワールドカップの視聴者を地域別にまとめると以下のようになります。最も視聴者が多かったのはアジアの14億1570万人ですが、前回大会比では視聴者数が7.3%も減少しています。それに対して最も前回大会比で視聴者数を伸ばした地域がアフリカ&中東で、総視聴者数は5億3700万人、前回大会比では66.2%増となっています。アフリカおよび中東での視聴者数の伸びが、そのまま大会の総視聴者数の増加を大きく後押ししたことは明らかです。


各地域の総視聴者数が全体のどれくらいの割合を占めているかをまとめたのが以下の円グラフで、アジアが43.7%、ヨーロッパが20%、北中米&カリブが8.6%、南アメリカが10.7%、オセアニアが0.5%、アフリカ&中東が16.6%です。


地域別に全人口の何%がワールドカップを視聴していたのかを表したのが以下のデータ。上からアフリカ&中東が54.1%、アジアが38.4%、ヨーロッパが86.1%、北中米&カリブが56%、オセアニアが44%、南アメリカが96.6%。全体の半数以下しかワールドカップを視聴していなかった地域は、アジアとオセアニアのみ。特にアジアは全人口の38.4%しかワールドカップを視聴しておらず、まだまだ伸び代を感じさせます。それに対して、サッカーの盛んな南米は96.6%、ヨーロッパは86.1%と驚異的な数字をたたき出しており、なぜヨーロッパのトップクラブやトップリーグがアジアでのマーケティング戦略に積極的なのかがよくわかります。


ラウンド別に試合の生放送の視聴者数をまとめると以下の通り。グループリーグからラウンドが進むごとに視聴者数が増加していますが、意外にも前回大会と比べると決勝・3位決定戦・準決勝・準々決勝は視聴者数が減少しています。2018 FIFAワールドカップは、南米およびヨーロッパ以外の地域から決勝トーナメントに進んだのはメキシコと日本のみで、この2つも準々決勝には進めなかったので、これも準々決勝以降の視聴者数が前回大会に比べて減少していた原因となっているのかもしれません。


以下のデータは試合の生放送(Live match coverage)、試合の再放送(Delayed/repeat)、試合のハイライト(Highlights)別に、総放送時間(Hours of coverage)を示したのが左の青色グラフ。右の赤いグラフでは放送された各種コンテンツを視聴者がどのくらい消費(Viewer hours)したかをパーセンテージで示しています。生放送以外にも再放送やハイライトがかなり多く放送されていたことがわかりますが、ほとんどの視聴者が生放送を視聴しており、再放送やハイライトはそれほど消費されていないことがわかります。


総視聴者数の約8.6%がインターネット上の配信から試合を観戦していた理由について、FIFAは「セカンドスクリーンとして視聴したり、移動中の視聴手段としてインターネット配信が確立されたため」と記しています。

FIFAは「これらの数字は2018 FIFAワールドカップが史上最高のワールドカップであったという主張を裏付けるものです。視聴者が試合を観戦している平均時間の増加には、特にうれしく思います。世界人口の約半数がFIFAワールドカップを観戦したという事実は、我々のライブ配信の質の高さだけでなく、世界中のファンが世界レベルのフットボールに飽きることがないという事実を反映しています」と記しています。

なお、調査データは調査会社のPublicis Media Sport & Entertainmentが世界各地の公式テレビ監査機関および、FIFAのMedia Rights Licenseesから収集された視聴者データを分析して割り出したものです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
2018 FIFAワールドカップ ロシアの優勝国はフランス代表、1998年以来2度目の栄冠の瞬間はこう - GIGAZINE

ワールドカップのゴールやお金にまつわるさまざまな数字をまとめたインフォグラフィック - GIGAZINE

ワールドカップ2018で日本代表が決勝トーナメント進出、試合には負けるも「フェアプレーポイント」で決定 - GIGAZINE

ワールドカップで何かと話題な「痛がるフリをするサッカー選手」を揶揄したケンタッキーのTVCMが大人気 - GIGAZINE

サッカー・ワールドカップのスポンサーは世界経済の情勢を反映している - GIGAZINE

ワールドカップの最大の「勝者」はApple - GIGAZINE

in メモ, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article here.