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4000億円もの価値を持つサッカークラブとは?驚愕の収入源と買収を狙う投資家たちの存在も

By Bronski Beat

サッカーは世界で最も人気の高いスポーツと言われ、世界中の多くの国々にプロ・アマチュアのサッカーリーグが存在します。そんな世界中に数多存在するサッカークラブの中で「世界で最も価値のあるサッカークラブトップ20」を、世界有数の経済誌であるForbesが公開しています。

The World's Most Valuable Soccer Teams 2016 - Forbes
http://www.forbes.com/sites/mikeozanian/2016/05/11/the-worlds-most-valuable-soccer-teams-2016/

プロサッカークラブの主な収入源は、TV放送権料・ユニフォームなどのクラブ関連グッズの販売・スポンサー料です。そして、サッカーのトップリーグが集まるヨーロッパのトップクラブにとっては、これらの収入源にプラスしてUEFAチャンピオンズリーグ(CL)出場により得られる資金が重要な収入源になっています。莫大な収入を得ており、かつ世界中に多くのファンを持つサッカークラブは、近年多くの投資家たちに注目されています。

その理由がはっきりと数字でわかるかのような「世界で最も価値のあるサッカークラブトップ20」がForbesから公開されました。トップ20クラブの平均資産価値は14億4000万ドル(約1560億円)で、20クラブの総資産価値は1年前から24%も増加しているそうです。

01位:レアル・マドリード


資産価値:36億4500万ドル(約4000億円)

最も資産価値の高いクラブは4年連続でスペインのリーガ・エスパニョーラに所属するレアル・マドリードになりました。レアル・マドリードの恐るべき点は、過去11シーズン連続で他のどのサッカークラブよりも高額の収入を生み出している、という点です。そんなレアル・マドリードの資産価値は36億4500万ドル(約4000億円)で、1年前よりも12%もその価値を高めています。なお、世界中でレアル・マドリードよりも資産価値の高いスポーツチームはNFLのダラス・カウボーイズ(40億ドル)のみです。

世界中に存在するスポーツチーム全体の資産価値ランキングトップ5は以下の通り。サッカークラブが3つ、アメフトクラブと野球チームがそれぞれ1つずつランクインしています。


02位:バルセロナ

資産価値:35億4900万ドル(約3900億円)

レアル・マドリードの次に資産価値の高いサッカークラブは、同じスペインのバルセロナで、その価値は35億4900万ドル(約3900億円)。バルセロナも1年前からその資産価値を12%増加させています。なお、バルセロナは4億ドル(約430億円)の費用をかけてホームスタジアムの改修を計画しており、これが完了すればレアル・マドリードの収入を上回ることになるかもしれない、とForbes。


そのバルセロナの新スタジアムは、なんと日本企業が改修デザインを考案しています。

ヨーロッパ最大級のサッカースタジアムが日本製の「新カンプ・ノウ」に改修決定、収容人数10万人超えの新スタがどうなるかわかるムービー公開中 - GIGAZINE


03位:マンチェスター・ユナイテッド

資産価値:33億1700万ドル(約3600億円)

3番目に資産価値の高いクラブは、イングランド・プレミアリーグに所属するマンチェスター・ユナイテッド。同クラブはニューヨーク証券取引所に上場している株式クラブであるため実際に株式を購入することも可能です。同クラブの資産価値は、株価から算出すると約30億ドル(約3300億円)ですが、Forbesは前年比7%増の約33億1700万ドル(約3600億円)と評価しています。マンチェスター・ユナイテッドの2014-2015シーズンの営業収益は1億9000万ドル(約210億円)で、資産価値トップ20にランクインしているクラブの中では最も収益率の高いサッカークラブです。

なお、世界中の全スポーツクラブを対象で見ると、最も収益率が高いのはダラス・カウボーイズ(2億7000万ドル)で、次がイングランド・ペイトリオッツ(1億9500万ドル)、その次にマンチェスター・ユナイテッドが続いています。

04位:バイエルン・ミュンヘン
資産価値:26億7800万ドル(約2900億円)

05位:アーセナル
資産価値:20億1700万ドル(約2200億円)

06位:マンチェスター・シティ
資産価値:19億2100万ドル(約2100億円)

07位:チェルシー
資産価値:16億6100万ドル(約1800億円)

08位:リバプール
資産価値:15億4800万ドル(約1700億円)

09位:ユベントス
資産価値:12億9900万ドル(約1400億円)

10位:トッテナム
資産価値:10億1700万ドル(約1100億円)

11位:ボルシア・ドルトムント
資産価値:8億3600万ドル(約910億円)

12位:ACミラン
資産価値:8億2500万ドル(約900億円)

13位:パリ・サンジェルマン
資産価値:8億1400万ドル(約880億円)

14位:シャルケ04
資産価値:6億5500万ドル(約710億円)

15位:アトレティコ・マドリード
資産価値:6億3300万ドル(約690億円)

16位:インテル・ミラノ
資産価値:5億5900万ドル(約610億円)

17位:ウェストハム・ユナイテッド
資産価値:5億4200万ドル(約590億円)

18位:ASローマ
資産価値:5億800万ドル(約550億円)

19位:SSCナポリ
資産価値:3億9600万ドル(約430億円)

20位:ニューカッスル・ユナイテッド
資産価値:3億8300万ドル(約420億円)

トップ20クラブの中にはイングランド・プレミアリーグに所属するサッカークラブがなんと8クラブ、トップ10には5クラブがランクインしています。これはプレミアリーグがTV放映権で他のサッカーリーグよりも莫大な収入を得ているからです。実際、サッカー後進国といわれるアメリカでさえ、イングランドのプレミアリーグとドイツのブンデスリーガをNBC SportsとFox Sportsで放送しています。

以下のグラフは上が「世界のスポーツリーグが自国内で得ている放送権料(トップ5)」で、下が「世界のサッカーリーグが自国内で得ている放送権料(トップ5)」です。これを見るとプレミアリーグの放送権料を他のサッカーリーグと比べると、倍以上差があることがわかります。なお、最も放送権料の低いのはドイツのブンデスリーガですが、同リーグは現在TVの放送権料について放送局と交渉している最中とのことで、次の契約では少なくとも現在よりも30%は増加する見込み、とForbes。


ヨーロッパのトップリーグであるプレミアリーグ、セリエA、リーガ・エスパニョーラ、ブンデスリーガの4リーグは、それぞれ異なる方法で放送権料を所属クラブに分配しています。中でも特徴的なのがスペインのリーガ・エスパニョーラで、これまでは同リーグに所属する2大クラブであるレアル・マドリードとFCバルセロナに多くの資金が分配される仕組みになっていました。しかし、2016-2017シーズンからはより平等な分配方法に切り替わる予定です。

実際、各リーグの年間放送権料を見てみると、リーガ・エスパニョーラは3番目に多い数字です。しかし、2014-2015シーズンのサッカークラブのTV放送権収入ランキングを見てみると以下の通りで、プレミアリーグの半分以下した放送権収入がないはずのリーガ・エスパニョーラに所属するレアル・マドリード(2位)とFCバルセロナ(1位)の2クラブが他のサッカークラブよりも多く1位と2位放送権収入を得ています。


さらに、以下のグラフはサッカークラブのユニフォームなどのグッズ販売およびスタジアムの命名権販売による収入のトップ10。


Forbesによるサッカークラブの資産価値評価は単に各クラブの収入を比較しているわけではありません。例えば、プレミアリーグに所属する強豪クラブのアーセナルは2014-2015シーズンに5億2400万ドル(約570億円)の収入を得ており、その資産価値は全クラブで5番目の20億2000万ドル(約1700億円)と評価されています。一方、同じプレミアリーグ所属のマンチェスター・シティの収入は5億5800万ドル(約610億円)ですが、その資産価値は全体の6番目に当たる19億2100万ドル(約2100億円)となっています。これは、ロンドンに拠点を置くアーセナルの方がより市場で買い手に好まれるだろう、という予測のもとに成り立っています。

また、「アーセナルの方が多くの買い手を集められるだろう」という推測の正当性を示す要素は「試合チケットの販売価格」にもあります。アーセナルは試合の年間シートを2895ドル(約31万円)で販売しているのに対し、マンチェスター・シティは1294ドル(約14万円)で販売しており、これはアーセナルの年間シートの需要の高さ、つまりはクラブの人気の高さを示しています。

以下はサッカークラブのシーズンチケット(年間シート)の価格が高いクラブトップ10。最も年間シートが高価なのはイタリアのACミランで、なんと5177ドル(約56万円)。


サッカークラブの資産価値の高さは、これまで多くのサッカークラブが買収されてきた事実からもわかります。2003年にロシアの大富豪ロマン・アブラモビッチ氏がロンドンのサッカークラブ・チェルシーを2億3300万ドル(約250億円)で買収しました。その後、アブラモビッチ氏は多額のポケットマネーを使ってチームを強化し、現在では17億ドル(約1800億円)の資産価値があると言われています。マンチェスター・ユナイテッドの支配権を保有するマルコム・グレイザー氏は、14億7000万ドル(約1600億円)を使って株式を買収して支配権を手にしています。そのマンチェスター・ユナイテッドは、現在では世界で3番目に資産価値の高いサッカークラブとなり、その価値は約33億2000ドル(約3600億円)になっています。

他にも、2008年にはアブダビの王族であるシャイフ・マンスール氏が3億6000万ドル(約390億円)でマンチェスター・シティを買収しました。同氏も多額の資金を費やしてチームを強化し、2016年時点での資産価値は19億2000万ドル(約2100億円)にまで増加しています。さらに、2011年にはアメリカ人投資家のスタン・クロエンケ氏がアーセナルの株式を大量に購入し、12億ドル(約1300億円)で経営権を掌握しました。同クラブの現在の資産価値は20億2000万ドル(約2200億円)と評価されています。さらに、リバプールはプロバスケットボール選手のレブロン・ジェームズ氏とジョン・ヘンリー氏により2010年に4億7600万ドル(約520億円)で買収されました。同クラブの現在の資産価値は15億ドル(約1600億円)です。なお、ここまで紹介された買収された経験を持つサッカークラブたちは、すべてイングランド・プレミアリーグに所属するクラブです。

イングランド以外のクラブも買収ターゲットになっています。例えばイタリア・セリエAに所属するASローマは2011年にアメリカの投資家グループに4億ドル(約430億円)で買収されました。ASローマは赤字を出しているものの、その資産価値は5億ドル(約540億円)と見積もられています。さらに、2013年にはインドネシア人のエリック・トヒル氏により同じくイタリアのインテル・ミラノが4億8000万ドル(約520億円)で買収されました。同クラブの現在の資産価値は5億5900万ドル(約610億円)とForbesに評価されています。

さらに、2011年にフランスのリーグ1に所属するパリサンジェルマンがカタールの投資会社に1億4300万ドル(約160億円)で買収されています。他にも、ドイツ・ブンデスリーガに所属する名門クラブのバイエルン・ミュンヘンが、2014年に同社の持ち株8.3%を保険会社のアリアンツに1億5000万ドル(約160億円)で売却したという事例もあります。

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in メモ, Posted by logu_ii

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