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Netflixなどのストリーミングサービスは映画館とは競合していないという調査結果、それではどこからユーザーを獲得しているのか?

by Karen Zhao

世界4大会計事務所にも数えられるアーンスト&ヤング(EY)のQuantitative Economics&Statistics(定量的経済学および統計学)部門が実施した最新の調査から、映画館に頻繁に通う人ほどNetflixのようなストリーミングサービスでも多くのコンテンツを視聴していることが明らかになりました。調査によると、「映画館」と「ストリーミングサービス」は、ユーザーの取り合いをしているわけではなく、補完的に成り立っているとのことです。

Streaming Services Aren’t Killing Movie Theaters – Variety
https://variety.com/2018/film/news/streaming-netflix-movie-theaters-1203090899/

EYの調査により、過去1年間で9回以上映画館を訪れた人(映画館で映画を観た人)は、過去1年間で1~2回しか映画館を訪れていないという人よりも、ストリーミングコンテンツを多く消費していることが明らかになっています。1年で映画館で9回以上映画を鑑賞した人は、週平均で11時間以上もストリーミングサービスでコンテンツを視聴しているとのこと。それに対して、1年に1~2回しか映画館で映画を観なかったという人の場合、ストリーミングサービスの週平均視聴時間は7時間程度だったそうです。

なお、EYは2500人にアンケート調査を実施しており、そのうち80%は「過去1年間で少なくとも1回以上映画館で映画を観た」と回答しています。

by freestocks.org

この調査はアメリカの興行主による業界団体National Association of Theatre Owners(NATO)がEYに委託したもので、「アウトロー・キング ~スコットランドの英雄~」や「ROMA/ローマ」のような、独占配信コンテンツの拡充を進めるNetflixに対して「映画館とNetflixが競合することはない」ということを示すために行われた調査です。

NATOのメディアリサーチ・ディレクターであるフィル・コントリノ氏は、「ストリーミングサービスと映画館の間に争いはない。コンテンツを愛する人々はさまざまなプラットフォームでそれらを観ており、すべてのプラットフォームは消費者の心に中に選択肢として存在している」と述べています。


実際、調査の結果から「映画館であまり映画を観ない人は、ストリーミングサービス上でも多くの番組や映画を観ることはない」という傾向が明らかになったとのこと。また、過去1年間で1度も映画館へ行かなかったという人の半数は、ストリーミングサービスで一切コンテンツを視聴しなかったと回答しています。なお、1年間で1度も映画館へ行かなかったという人の中で、1週間に8時間以上ストリーミングサービスでコンテンツを視聴していると回答したのは、わずか18%でした。

さらに、「ストリーミングサービスの登場により若者の間で映画館離れが加速している」という主張も根拠のないデタラメなものであることがわかる結果が出ています。13歳から17歳までの回答者の1年間の平均映画館訪問回数(映画館へ行き映画を観た回数)は約7.3回で、ストリーミングサービスの利用時間は週平均で9.2時間だったそうで、この数字は他のどの年齢層よりも高い数字だそうです。

なお、1年間の平均映画館訪問回数が最も低かった年齢層は、18歳から37歳のグループで、約6回。同グループのストリーミングサービスの利用時間は週平均で8.6時間となっており、映画館への訪問回数およびストリーミングの消費時間の両方で低い数字が出ています。

by JESHOOTS.COM

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」や「ヴェノム」、「インクレディブル・ファミリー」といったヒット作が続いたことで、2018年のアメリカの興行収入は記録的な水準に近づいています。それに伴い、EYの「ストリーミングサービスは映画館と競合していない」という調査結果が注目を集めるようになっている、と海外メディアのVarietyは指摘。

アメリカに限らず、どこの国に暮らす人であっても所得は限られたものであるため、NetflixやAmazon Prime、Huluといったストリーミングサービスを利用している場合は、他の何かしらで節約する必要があるかもしれません。調査会社のeMarketerによる最新の見積もりでは、2018年にアメリカでケーブルテレビやその他の有料テレビサービスを解約した消費者の数は前年比で32.8%増の3300万人にものぼると予測されています。また、NATOのコントリノ氏も、これがストリーミングサービスの影響によるものだと指摘しています。

コントリノ氏によると、ストリーミングサービスは映画館ではなく家庭内でのエンターテイメントのバランスを狂わせているとのことで、「ストリーミングサービスは有料放送やケーブルテレビから視聴者を吸い取っている」と指摘しています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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