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「Steamのアルゴリズム変更によりインディーズゲーム開発者が大打撃を受けている」という指摘


SteamValveによって運営されている世界最大規模のゲーム配信プラットフォームです。Steamで配信されているゲームは大手メーカーが作ったゲームに限らず、とても多くのインディーズゲームも配信されています。インディーズゲームの開発を行っているJake Birkett氏は、「Steamのアルゴリズム変更により、インディーズゲームの売り上げが大幅に下落している」と主張しています。

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Steamではユーザーの好みや訪れたゲームの製品ページに応じて、「このゲームに興味がある人にオススメするゲーム」を表示するアルゴリズムを使用しています。これによりユーザーは自身の趣味に合うマイナーなゲームの存在を知ることができる仕組みになっていましたが、Steamを運営するValveは2018年10月上旬に、そのアルゴリズムに何かしらの変更を加えたとのこと。その結果としてバグが発生し、「ユーザーの興味や訪れている製品ページに関連のあるゲームではなく、いくつかの有名なゲームだけをオススメする」ようになってしまいました。


Valveはアルゴリズムに発見されたバグを1週間以内に修正したそうですが、その後も多くのインディーズゲームでは「他のゲームの製品ページ」や「Steamのホームページ」からのトラフィックが大幅に減少してしまったとBirkett氏は述べています。

以下の画像はBirkett氏がSteam上で販売しているゲームについて、Steam上でのトラフィックを分析したデータです。10月上旬にアルゴリズムへの変更が加えられる以前の9月時点では、「Other Product Pages(他の製品ページ)」からのトラフィックが1週間あたり305件確認できますが……


10月上旬のアルゴリズム変更後は、1週間あたりのトラフィックがわずか91件になっています。他の製品から自分の製品にたどり着く数が3分の1以下になっており、インディーズゲームにとっては大きな打撃です。


Valveが提供している無料のゲーム開発・販売総合ツール「Steamworks」上のトラフィックグラフでも、Steamにおける他の製品ページからのトラフィックが減少していることがわかります。

オレンジ色の折れ線グラフが他の製品ページからの流入を表しており、9月の時点では他の経路からのトラフィックを上回っています。しかし、10月に入ってしばらくすると他の製品ページからのトラフィックが一気に減少し、低迷を続けていることが確認可能。


Birkett氏は数字やグラフでトラフィックを紹介したゲームの他にも、2つのゲームにおいて同様のトラフィック減少を確認しているとのこと。また、他の一部の開発者においてはこれ以上に深刻なトラフィックの落ち込みを見せており、インディーズゲームの販売状況は非常に厳しい状況にあるとしています。

実際に9月から11月にかけてのBirkett氏が開発したゲーム販売状況を表したグラフがこれ。10月にバグの問題が発生して以降、全体的な販売数は半減してしまったとBirkett氏は述べました。この問題は新たなゲームを販売した場合やディスカウントセールの際にどうなるかは詳しく判明していないそうですが、他のゲーム開発者が公開しているデータを見る限りでは、同様に販売数の減少が確認できるとのこと。


今回のバグによって全てのゲームにおいてトラフィックが減少しているわけではなく、Birkett氏が聞いている限りではいくつかのゲームにおいてトラフィックの上昇があったそうです。しかし、「いくつかのゲームでトラフィックの増加があったということは、他のゲームにおいてトラフィックの減少があったということです」として、Birkett氏はトラフィックの増減は表裏一体だと述べました。

Birkett氏をはじめとする数人の比較的名高いインディーズゲーム開発者は、個人的に名刺を交換しているSteamの担当者にメールを送り、今回の件についての説明を求めました。しかし、今のところ何も明確な回答は返ってきていないとのこと。

担当者にメールを送った際、Birkett氏は自身のゲームで観測したトラフィックの減少を表にまとめて提出しています。以下の画像がメールに添付した表のスクリーンショットであり、赤く強調された部分では10月に入った途端に大幅なトラフィックの減少が発生していることがわかります。


ゲームセールスの状況を見ると、多少の増減はあるものの9月と10月では全体のセールスにおいて明らかな変化が起きていることが一目瞭然です。


Birkett氏と知り合いのインディーズゲーム開発者であるDanny Day氏によると、Steamのアルゴリズムには履歴データが含まれていた可能性があるとのこと。この説に従えば、バグの修正後に以前の履歴データが全て削除されてしまったため、以前と同じトラフィックが得られないということになります。

別の理由としては「商業上の理由からValveが特定のゲームをオススメするようにアルゴリズムを切り替え、一部の有名ゲームがこれまで以上の恩恵を受けている」という説があります。Valveも企業である以上は利益を追求しなければならず、その結果として全体から見た売り上げの小さいインディーズゲームを切り捨て、大きな収益を上げる有名ゲームに注力する方針に転換したとしても不思議はありません。

あくまでもこれらの説は仮説に過ぎないとBirkett氏は注意していますが、インディーズゲームの開発者はSteam上での売り上げが減少してしまった以上、「ゲームを直接販売する」または「itch.ioのような別のプラットフォームを利用する」という代替案を模索する必要があるとのこと。ユーザーがもしインディーズゲームを支援したいという気持ちがあるならば、プラットフォームに手数料を引かれない直接販売で購入することで、インディーズゲーム開発者を支援できるとBirkett氏は述べました。

by Jamie McInall

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in ネットサービス,   ゲーム, Posted by log1h_ik