なぜスマホ画面がバキバキに割れている人が多いのか?

スマートフォンをうっかり落としてしまい画面がバキバキに割れてしまった、という経験はスマートフォンユーザーなら1度はあるはず。落とした自分が悪いにしても「どうして画面を下に落ちてしまったんだ……!」と思わずにはいられないスマートフォンの画面が割れる瞬間を、物理的に検証するムービーが公開されており、「なぜ画面が下向きに落ちてしまうのか」や「いざ落としそうになった際の対処法」を知ることができます。
【物理エンジン】どうしてスマホの画面が割れている人がこんなに多いのか【日常の疑問】 - YouTube

「落としたパンがバターを塗った面を下にして着地する確率は、カーペットの値段に比例する」というのは、経験則などをユーモアに表現した「マーフィーの法則」のひとつ。

つまり、「なんでか悪い方ばっかり起きるよね」という経験則です。

パンに塗ったバターの影響はかなり小さいものと考えられるので、ランダムに落とせばバターが塗られた面が下向きに落ちる確率は50%のはず。

つまり、マーフィーの法則は心理的に悪い結果だけを強く記憶したものと考えられます。

しかし、これを物理的に検証した人がいます。

(PDF)とある研究では「落とす高さ」「パンとテーブルの摩擦」「パンの重心のはみだし方」などからパンがどちらの面を下にして落ちるかを検証。

その結果、バターを塗った面が上向きに落ちるには……

パンを置くテーブルの高さが3メートルほどなければいけないことが明らかになっています。

つまり、「人間が使うテーブルの高さからパンを落とすと、バター面を下にして落ちてしまう」というわけ。

この結果、パンの場合は「悪いことばかり記憶している」のではなく「物理的にバター面を下にして落ちる可能性が高い」ということがわかります。

このパンの例と同じように、街中で頻繁に見かける気がする「スマホの画面が割れている人」は、マーフィーの法則なのかそれとも物理的に割れやすいから頻繁に見かけるのか、を検証するというのが今回のムービーです。

そのために調べるのが、「スマートフォンの画面を下にして落ちやすい高さ」です。スマートフォンを落とした際、画面が割れる確率は「画面が下向きに落ちた時」の方が高いということは明らかなため、この「スマートフォンの画面を下にして落ちやすい高さ」を調べるわけ。

物理エンジンで検証する際の条件として、スマートフォンは「iPhone 6s」を使用。サイズおよび重さは表記の通りで、重心は端末の中心とされています。

iPhone 6sを手に持ちiOSの分度器アプリを使用して、端末が手から滑り落ちる角度を計算。これによりスマートフォンの裏面と肌の摩擦係数を大ざっぱに求めます。

これによると大体18度ほど傾けると端末が滑り落ちた模様。ここからiPhone 6sと肌の静止摩擦係数は0.325、動摩擦係数は0.30であると算出されました。

続いて高さの異なる手を多数用意し、いろんな落とし方を試してみます。

実験その1

手に持ったスマートフォンが前方に落ちる場合

スマートフォンを手に持つ角度は「水平から30度上向き」で、重心を指から1cmほどはみ出させて落とします。

つまり、こんな感じで手から滑り落ちるわけです。

というわけで色んな高さから落とします。

実験の結果、高さ2メートルまでの場合はスマートフォンの画面が下向きに落ちてしまう模様。

2~6.9メートルまでの高さから落とすとスマートフォンの画面が上向きに落ち、それ以降は再び画面が下向きに落ちます。

実際に現実でやってみても確認できる模様。なお、色んな角度でスマートフォンを持って試してみても、そこまで大きな影響はなく、大抵の場合は「画面を下向きにして落ちる」そうです。

実験その2

次は手に持ったスマートフォンが手前に滑るように落ちた場合をシミュレーション

手前に落ちる際も手に持つスマートフォンの角度は水平から30度上向き。スマートフォンの重心は人さし指の真上にし、手の上をすべり台のように滑り落ちることとなります。

この方法でスマートフォンが手のひらから滑り落ちると仮定して、再び色んな高さから落としてみます。すると、スマートフォンを手前に落としてしまう場合でも、人が使う高さでは画面が下向きになる模様。

地面から2.3メートルまでの高さの場合、スマートフォンの画面が下向きになるように落ちました。

実験その3では、スマートフォン画面を横向きに持っている際に落としてしまったケースを実験。

スマートフォン横持ちの場合、高さ1.5メートルまでは画面が下向きで落ちます。

身長170cmの人が立っている場合、スマートフォンを手に持つ高さは大体1.1メートルほど。

3通りの落とし方を検証した結果、人間がスマートフォンを手に持つ高さから落とすと、画面が下向きに落ちる確率が高いことが明らかに。なお、画面全体で地面に落ちるよりも画面の縁から落ちた場合の方がディスプレイは割れやすいそうです。

諸々の結果、人間が手からスマートフォンを落としてしまった場合、どのような落ち方でも画面が下向きになる確率が高いため、「スマホの画面はけっこう割れるのでは」という結果が導きだされました。

最後に「画面を割るリスクを下げる方法」も紹介されています。

手のひらからスマートフォンが落ちる瞬間をよく観察すると……

スルリ。

スマートフォンは指を中心に回転して落ちていくことがわかります。

支点をなくせば回転しなくなるはず。つまり、落とすと思った瞬間に……

腕の力を全部抜けばOK。

すると、スマートフォンは回転することなく、画面が上向きに落ちていきます。

これにより画面が割れるリスクが減ると考えられるわけです。

これができない場合は「歩きスマホをやめること」が推奨されています。

・関連記事
iPhoneの「割れやすいガラススクリーン」という欠点が改善されない理由とは? - GIGAZINE
ビシビシに画面が割れたiPhoneをAppleCare+で交換修理してみました - GIGAZINE
ヒビ割れや傷がついたスマホの画面が熱だけで自己修復する技術の特許をモトローラが出願 - GIGAZINE
「折り畳みスマホ」の実現が近づくか、サムスンの「割れないスマートフォンディスプレイ」が性能・安全基準の「UL認証」を取得 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in モバイル, 動画, Posted by logu_ii
You can read the machine translated English article Why are there many people who smart scre….