レビュー

「スーパーマリオ オデッセイ 公式設定資料集」はフルカラー360ページ超に半端ない量のラフスケッチやイラストを凝縮した「ファンはマストバイ」なアイテム


2017年10月27日に発売された「スーパーマリオ オデッセイ」は、Nintendo Switchで初の3Dマリオ作品です。例によってクッパにさらわれたピーチ姫を救うため、マリオはしゃべる帽子「キャッピー」と共に世界各地を飛び回り、さまざまな格好に着替えながら冒険をします。そんな「スーパーマリオ オデッセイ」の公式設定資料集「スーパーマリオ オデッセイ公式設定資料集」が2018年9月28日に発売されました。360ページを超えるボリュームには、設定資料からアートワーク、ラフスケッチや没アイデアに至るまで収録されていて、圧巻の1冊に仕上がっていました。

THE ART OF SUPER MARIO ODYSSEY:スーパーマリオ オデッセイ公式設定資料集 | ニンテンドードリーム編集部 |本 | 通販 | Amazon


「THE ART OF SUPER MARIO ODYSSEY:スーパーマリオ オデッセイ公式設定資料集」はこんな感じ。


Nintendo Switchと並べてみるとその大きさがよくわかります。


ページはすべてフルカラーで、360ページ以上。Nintendo Switchの倍近い厚さとなっています。


設定資料集は透明のスリーブに収められています。スリーブにはキャッピーとマリオの顔が描かれていて、本の表紙にはラフスケッチがびっしり。


なお、目次は以下の通り。

◆CHAPTER1:ARTWORKS
・メインビジュアル
・マリオとキャッピー
・キャッピー
・オデッセイ号
・ウェディング衣装 マリオ/ピーチ姫/クッパ
・ポリーン
・ブルーダルズ
・ルイージ
・2Dイラスト

◆CHAPTER2:BACK TO THE ODYSSEY
・メインキャスト
・帽子の国
・滝の国
・砂の国
・湖の国
・森の国
・雲の国
・失われた国
・都市の国
・雪の国
・海の国
・料理の国
・奪われし国
・クッパの国
・月の国
・キノコ王国
・月の国 裏
・月の国 もっと裏

◆CHAPTER3:EXTRA
・オデッセイ号のおみやげ
・マリオの衣装
・ピーチ姫の旅の衣装
・メインビジュアル メイキング
・プロオーション映像 メイキング
・公式Twitter用 イラスト
・開発初期イメージアート

◆CHAPTER1:ART WORKS
「スーパーマリオ オデッセイ 公式設定資料集」はおおまかに3つのチャプターで構成されています。一つ目はさまざまなキャラクターのアートワークが掲載された「ART WORKS」。文章やコメントはなく、シンプルにまとめられています。


「スーパーマリオ オデッセイ」の主人公であるマリオとキャッピー。今作ではマリオが帽子を投げて敵に乗り移ったり、投げた帽子を踏んで高くジャンプしたりと、帽子を使ったアクションが目玉となっていました。


ウェディングスーツを着こなしたマリオとクッパに挟まれる、ウェディングドレス姿のピーチ姫。いつもはピーチ姫をさらってはマリオを出迎えるだけのクッパでしたが、今作ではマリオの追跡を振り払いながらピーチ姫との結婚式を強行するという、かつてなく真剣な気持ちでピーチ姫を誘拐しています。


スーパーファミコンで発売された「スーパーマリオワールド」をほうふつさせるような、少し懐かしさを覚える2Dイラストのマリオ。


今作初登場の手強い中ボス軍団「ブルーダルズ」と、愛すべき弟・ルイージです。ルイージはゲーム内で直接動かすことはありませんが、ミニゲームの案内役として登場します。


◆CHAPTER2:BACK TO THE ODYSSEY
2つ目のチャプターは、ラフスケッチや設定資料を交えながら、キャラクターやステージが紹介されている「BACK TO THE ODYSSEY」。キャッピーを構えるマリオの手描きイラスト。


ピーチ姫のウェディングドレス姿は完成までさまざまなアイデアがあったようで、デザイナーの苦労が垣間見えます。ピーチ姫が手にしていたパックンフラワーのブーケだけでも何種類もの案が紹介されていて、細かいところまでデザインが練り込まれていることがよくわかります。


クッパは、ピーチ姫との結婚式に備えて、帽子の下の髪型をばっちり決めていたことが判明。


また、敵キャラクターのデザイン案も掲載されています。ガールクリボーは、ゲーム中では「おしゃれな帽子を被って少し化粧が厚めなクリボー」といったデザインでしたが、当初はポニーテールを下げて「女性らしいヒップライン」を意識したデザインだった様子。


こちらは風船を背中に背負ったルイージ。ゲーム中ではミニゲーム「バルーンファインド」の案内役を務めます。さまざまな衣装に身を包む兄と違い、ルイージはいつものツナギを着ているだけですが、開発スタッフによると、今作の世界観とベーシックなルイージの対比を印象付けたかった狙いがあったとのこと。また、ラフスケッチでは黄色のみですが、ゲーム内の風船の色はスーパーファミコンのコントローラーの配色になっているそうです。


かけっこ勝負を挑んでくるノコノコ。スタートと同時に甲羅を脱いでスタートダッシュするという衝撃のダッシュシステムが考えられていました。ラフスケッチでは、真っ黒なサングラスが似合っています。


キャラクターだけではなく、各ステージのコンセプトアートも紹介されています。ラフスケッチには、デザイナーによる街中の建物の高さやデザインモチーフの指定が書き込まれていました。


「スーパーマリオ オデッセイ」では、各国のコンセプトに合わせてデザインが差別化されています。砂の国・アッチーニャの住人は、メキシコをモチーフにしているということで、死者の日をイメージしてか顔がドクロの形をしていますが、スタッフによると、敵と見間違えないように陽気で明るい雰囲気を前面に押し出したそうです。


これまでのマリオシリーズでは珍しい「現代風の都会」をイメージした「都市の国・ニュードンクシティ」では、信号機やマンホールのフタに至るまで、細かいところまでデザインが考えられていたことが判明してびっくり。


CMにも登場した、ニュードンク・シティ市長兼歌姫のポリーン。比較的初期からデザインは固まっていたようですが、中には「こんなポーズをキメる!」とマッシブなポーズをとるポリーンのラフスケッチも。


全体的に和のデザインだったクッパの国は、ゲームや映画にありがちな「欧米からみたうさんくさい日本のイメージ」ではなく、ちゃんと日本人も違和感を覚えないようなデザインを目指して作られているとのこと。実際に、天守閣のラフスケッチを見ると、日本建築を参考にしながら細かい部分まで作り込まれていることがわかります。


◆CHAPTER3:EXTRA
3つ目のチャプター「EXTRA」は、ここまでのチャプターで紹介されなかったさまざまな要素や、イラスト、ラフスケッチなどがまとめられています。中には初公開となるラフスケッチも収録されているとのこと。

これはマリオが世界を冒険するときに乗船する「オデッセイ号」に貼ることができるステッカーのデザインも、さまざまな案があったようです。オデッセイ号に貼った時、偏ったり重なったりしないかを考えてデザインしたと語られています。


また、マリオの服もさまざま。これはピーチのウェディングドレスに身を包むマリオ。


ゲームの中では多くの衣装が登場しますが、デザイン案はそれ以上にたくさん用意されていたようで、「キノピコの服」のようなスタッフが遊んで作ったのだろうと思わずにはいられないようなものも。「これは没になっても仕方ないだろう……」と思ってしまいそうですが、デザイナーは「似合わなかった…けど、帽子(?)を投げるのは楽しそう」とメモ書きしており、ひょっとするとゲームで登場する可能性も十分あったのかも……?


「スーパーマリオ オデッセイ」では、3Dマリオだけではなく、2Dの世界を冒険することも。ファミコン時代を思わせるドット絵のマリオが、それぞれの衣装に対応したデザインで楽しめるのも「スーパーマリオ オデッセイ」の魅力の1つ。


クリア後、世界中を旅するピーチの衣装案。「海の国・シュワシュワーナ」での水着案は何パターンも掲載されています。


他にも、E3で公開されたトレーラー映像の絵コンテも見ることができます。


Nintendo Switchで発売予定の「New スーパーマリオブラザーズ U デラックス」でピーチ姫への変身アイテム「スーパークラウン」が追加されることが発表され、その後1人のファンが「クッパも被ればクッパ姫になるのでは」とイラストを発表したところ、インターネットを中心に世界的な「クッパ姫」ブームが巻き起こりました。しかし、任天堂の開発スタッフはブームになるはるか以前に「クッパピーチ」を生み出していました。あくまでもこれはあくまでも開発初期のイメージスケッチであり、ゲームには実装されませんでしたが、もしかすると実際にクッパピーチが登場していた可能性すらあります。


そして、本の最後には、「マリオゲームの歴史を巡る旅」と題して、「ドンキーコング」から「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」までを紹介するコーナーも掲載されていました。


「スーパーマリオ オデッセイ公式設定資料集」は、「公式設定資料集」と銘打たれていますが、設定情報だけではなく、膨大な量のラフスケッチやアートワークをフルカラーで収録。あまりにも情報量が多いので、1日では到底読み尽くせない設定資料集となっています。ゲームを遊んでいる時には気付かなかった細かい描写や設定を知ることができ、ぱらぱらっとめくって読んでいると、開発スタッフが楽しそうに「スーパーマリオ オデッセイ」のデザインや設定を考えていたことがビシビシ伝わってきます。「スーパーマリオ オデッセイ」を遊んだ人はもちろん、「ゲームのキャラクターデザインとはどういう感じなのか」「歴史の長いキャラクターを新しくデザインするとはどういうことなのか」が気になる人にもおすすめできる内容。税抜4500円という、書籍にしては少し高い価格ですが、確実にその価値はあります。

「スーパーマリオ オデッセイ公式設定資料集」は税込4860円で、Amazon.co.jpで購入が可能です。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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