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ハードウェア

普通のぬいぐるみやチューブに装着してロボット化する「ロボットスキン」が開発される


「ロボット」と聞くと金属などの機械で作られた固い装置を連想しますが、イェール大学のロボット工学者の研究チームは柔らかい素材から作ったロボットをぬいぐるみや置物などの物体に装着し、手軽にロボットとして動かすことが可能な「ロボットスキン」を開発しました。

OmniSkins: Robotic skins that turn inanimate objects into multifunctional robots | Science Robotics
http://robotics.sciencemag.org/content/3/22/eaat1853

High-tech ‘skins’ turn everyday objects into robots | Science News
https://www.sciencenews.org/article/high-tech-skins-turn-everyday-objects-robots

'Robotic Skins' turn everyday objects into robots -- ScienceDaily
https://www.sciencedaily.com/releases/2018/09/180919144918.htm

イェール大学で機械工学と材料科学の准教授を務めるRebecca Kramer-Bottiglio氏は、ユーザーが独自のロボットを作り出すことが可能な「ロボットスキン」を開発しました。ロボットスキンは特定の作業を念頭に置いて制作されたロボットではなく、捜索救助からウェアラブルデバイスとしての働きまで、さまざまな場面に応用が効くとしています。

ロボットスキンは柔らかい素材の弾性シートの中に、Kramer-Bottiglio氏の研究室で開発されたセンサーやアクチュエータを埋め込んだもの。変形しやすいぬいぐるみや曲がりやすいチューブなどにロボットスキンを装着することで、装着した物体を動かすことが可能になります。装着した物体の特性とロボットスキンの装着方法により、さまざまな運動を物体に行わせることができるとのこと。

Kramer-Bottiglio氏はロボットスキンについて、「1つの物体をロボットスキンで包み込むことで、例えばその物体を所定の位置まで動かすことができます。その場所まで物体がたどり着いたらロボットスキンを取り外し、また別の物体に装着し直して、今度は物をつかんだり移動したりさせることが可能です」と語っています。ロボットスキンは何重にも重ねて物体に装着することも可能で、レイヤーを重ねることで物体を収縮させながら曲げるなど、より複雑な動きも可能になるそうです。

以下の画像をクリックすると、ロボットスキンを装着した馬のぬいぐるみがトコトコと歩く様子が、アニメーションGIF(容量約2.5MB)で再生されます。


また、以下のムービーではロボットスキンを装着した物体が地面をはうようにして、ずるずると移動していく様子がわかります。

High-tech ‘skin’ creates a variety of soft bots on the fly | Science News


研究者が1本の棒に……


ロボットスキンを巻き付けていきます。ロボットスキンにはガスが充塡(じゅうてん)されることで膨らむパウチや、電流で加熱されることで収縮するニッケルチタンコイルなどが詰め込まれており、グネグネと形を変形させることが可能。


実際にさまざまな方法でロボットスキンを巻き付けた物体を動かしてみると……


ゴロゴロと転がって前に進む物もあれば、芋虫のように体を折り曲げて進む物もありました。


ぬいぐるみのように足がない物体に取り付けても、収縮運動でジワジワと前に進むことができる模様。


記事作成時点では、ロボットスキンには電流やガスを送り込むチューブを接続する必要がありましたが、将来的には全ての装置をワイヤレスにできると、Kramer-Bottiglio氏は考えています。


Kramer-Bottiglio氏はロボットスキンの開発を、NASAから軟式ロボットシステムの開発を依頼された時に思いついたとのこと。その後、NASAと提携してロボットスキンを開発したKramer-Bottiglio氏は、「宇宙探査のためにロボットスキンを利用することができるかもしれません」と語っています。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by log1h_ik