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DIYで超強力なレーザー砲を作り出す自称「マッドサイエンティスト」に密着したムービー


レーザー砲といえばSF作品の中か最先端の軍事技術であるかのように感じられますが、個人でもその気になればレーザー砲を自作することが可能。そんな「強力なレーザー砲をDIYしている人物」に密着したムービーが、YouTubeで公開されています。

This Pyro Makes the Strongest DIY Lasers In the World Out of Old Tech


闇の中に浮かびあがるレーザー光。


「初めてレーザー砲を作ったのは14歳のころでした」と語るのは……


styropyro」というYouTubeチャンネルを運営している科学系YouTuberのドレーク・アンソニーさんです。


styropyroに投稿されるムービーは、レーザー砲をDIYしてさまざまな実験を行ったり、威力を試したりするもの。


アンソニーさんの自作するレーザー砲は、いとも簡単に紙を燃やしたり、黒い風船を破裂させたりすることができます。


アメリカ中西部に位置するイリノイ州のグッドフィールドという町にアンソニーさんは住んでいます。


アンソニーさんはレーザー砲を作るほかには、ビデオゲームも好きだそうですが……


特に好きなのが「蛾()」だそうです。


「蛾っていうのは、光に引き寄せられるでしょう。レーザーを好きな私と光を好きな蛾は、精神性が似ているんです」と冗談めかしてアンソニーさんは笑います。


蛾をためらいなく顔にくっつける様子を見るに、本当にガのことが好きなようです。


25歳のアンソニーさんは、自分のことを「プロのマッドサイエンティスト」と自称しています。


styropyroに投稿されたムービーの総再生数は1億回を超え、50万人近い人々がチャンネル登録をしています。


アンソニーさんが作るレーザー砲は非常に強力なため、レーザーが1度でも目に入ってしまうと簡単に失明してしまうとのこと。そのため、アンソニーさんは投稿したムービーの中でも、レーザー砲を扱うときは常に黒いゴーグルを装着しています。


特に威力の強いレーザー砲は、壁に当たったレーザー光を見るだけでも目にダメージを負ってしまうそうです。


「しっかりとゴーグルを付けているから、何年もレーザー砲を扱っていても失明せずに済んでいるんです」とアンソニーさんは語りました。


アンソニーさんはレーザー砲の製作にダイオードレーザーを利用しているとのこと。


ダイオードレーザーは半導体に電圧をかけ、レーザー光を発射する仕組みになっています。


アンソニーさんは4台のダイオードレーザーを合体させ、出力200ワットの強力なレーザービームを発射するレーザーバズーカを作成したこともあります。


発火しやすい物体に照射すれば、簡単に発火させることも可能。


アンソニーさんはムービーの中でレーザーの威力を証明するため、タマネギを加熱してみたり……


発火物を爆発させたりといった実験を行っています。


50ワットのレーザー砲でも強力な威力を持ちますが、アンソニーさんによれば、レーザーの強さを決定するのは上手くレーザーを一点にまとめて放出できるかどうかにかかっているそうです。


鏡をルビーレーザーの両サイドに配置して光を増幅するなどして、アンソニーさんはレーザーの威力向上を目指しています。


「どうしてこうなるんだろう?」「こうしたらどうなるんだろう?」という好奇心がアンソニーさんを突き動かし、さまざまな科学実験を行っているとアンソニーさんは語りました。


アンソニーさんが所有している倉庫には、電子レンジや古いテレビ、ジャンクPCなどのガラクタが山のように運び込まれています。


ジャンク品を再利用してレーザー砲の一部に流用し、ジャンク品に新しい目的を与えるのが好きだとアンソニーさんは話します。


アンソニーさんが住むグッドフィールドは、人口わずか700人ほどの田舎町。


科学に興味を持っていた幼いころのアンソニーさんは、町の外れで警察に追われることもなく、さまざまな科学実験をのびのびとすることができたそうです。


ホームビデオの中で、バケツの中に何かを入れた子どものころのアンソニーさん。


走ってその場を離れると、バケツの中から花火のようなものが打ち上がりました。


他にも、たき火に何かを投げ入れて爆発させるといった危ない実験も行っていた模様。


なかなか危険な実験をしていたようで、分厚い革手袋を装着していなければヤケドをしていたと思われる様子も古いムービーには収められています。


アンソニーさんがレーザーと出会ったのは12歳のころ。「とても面白かったし、レーザー砲は未来の装置だと感じました」と語ります。


それから10年以上の間に、アンソニーさんは数百ものレーザー砲を作ってきたとのこと。


中にはロボットにレーザー砲を装着し、リモコンで操作してターゲットにレーザーを照射できるようにしたものまであります。


アンソニーさんは自身のチャンネルを見た人が「レーザー砲でこんなこともできるのか!」と感じて、科学に興味を持ってくれることを期待していると語ります。


電源に電池を利用したハンドガン型のレーザー砲も、アンソニーさんは自作している模様。


アンソニーさんがレーザー砲の製作を始めたころには、緑色の光を放つダイオードレーザーはなかったそうで、「レーザーテクノロジーは日々進歩しています」と感慨深そうに述べました。


レーザーは工学から物理学、化学といったさまざまな分野の科学技術が結集したものであり、非常に素晴らしいものだとのこと。


多くのユーザーを抱えているstyropyroですが、「暴力的な行為を推奨するコンテンツを含んでいる」としてYouTubeから削除されそうになったこともあるそうです。


その時はYouTube側とやり取りをしてチャンネル削除を免れたそうですが、科学系YouTuberは常にチャンネル停止の可能性を抱えたまま活動しているとアンソニーさんは話します。


多くの科学知識をインターネットで得たと語るアンソニーさんは、科学技術を紹介するコンテンツをむやみに「危険だ」として削除するべきではないと主張します。


「科学系のコンテンツが閉鎖されてしまえば、子どもたちが科学の面白さに触れる機会を奪うことになり、将来の科学者がいなくなってしまいます」とアンソニーさんは語ります。


アンソニーさんのムービーはレーザー砲の実験を通して、科学の面白さを教えているとのこと。


「レーザーは至る所で使われている技術で、非常に興味深く未来を感じさせてくれるものです」とアンソニーさんは熱く語りました。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1h_ik

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