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テスラがハッキングを防ぐ「セキュリティコード」をオープンソース化して他メーカーに公開の方針、デファクトスタンダード狙いか

By cdorobek

テスラのCEOを務めるイーロン・マスク氏がTwitterで、同社の車両に搭載されているセキュリティソフトウェアを他の自動車メーカーも利用できる状態で公開する方針を明らかにしました。そこには、自動運転車業界における優位性を確保するための狙いもこめられているようです。

マスク氏は日本時間の2018年8月13日早朝、以下のツイートを投稿しました。その中でマスク氏は「テスラ車両のセキュリティソフトウェアを他メーカーが自由に利用できる状態でオープンソース化することを計画中。将来の自動運転車の安全にとって極めて重要なこと」と述べています。


一昔前であれば、自動車メーカーが自社の技術を無料で公開するなどとても考えられないことであり、それだけに今回のマスク氏の発言は注目を集めています。


しかし、そこには一定の「狙い」があるというのが大方の見方となっています。ネットメディアのEngadgetは記事の中で、今回の方針発表はマーケティング戦略の一環であるとの見方を示しています。

今後、インターネットにつながる「コネクテッドカー」が多くを占めるようになると、自動車のセキュリティ対策は従来にも増して重要になってきます。実際に遠隔で車両のエアコンやワイパーを動かし、あげくの果てには高速道路を走行中にエンジンを切ってしまうという実験も実施されています。

遠隔操作で走行中のジープのエアコンを止めたりエンジンを切ったりする実験ムービー - GIGAZINE


コネクテッドカーが主流になると、それだけ「ハッカーの標的が増える」ということにもなります。それだけに、各社がセキュリティ対策の取り組みを進めているわけですが、テスラの今回の発表は先行者ならではの強みを活かしたアクションということになりそう。

そしてもちろん、そこにはテスラにとっての「うまみ」があることも確実です。ネットワークにつながった車両を保護するための共通のフレームワークを提供し、いわゆる「デファクトスタンダート」を作り上げることで、テスラはコネクテッドカー業界における居場所と優位性を確実なものにすることになり、存在感を示すようになるという効果が期待できます。

マスク氏は具体的な公開のタイムラインは示しておらず、実際に公開されるのかどうかも記事作成時点では何とも判断できない状況。「モデル3」の生産がやっと軌道に乗りだしながらも、キャッシュフローなどの経営状況が良好とはいえないテスラが打ち出した方針がどのような意味を持つことになるのか、「マスク劇場」ともいえるマスク氏のアクションには今後も人々の関心が集まることは確実といえそうです。

By Steve Jurvetson

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in メモ,   ソフトウェア,   乗り物, Posted by darkhorse_log

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