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ロシア軍の「Starlink」使用を阻止することにアメリカ国防総省が成功


ウクライナに侵攻したロシア軍が衛星インターネットサービス「Starlink」を使用していた問題で、アメリカ国防総省がロシア軍によるStarlink使用を阻止したことを明らかにしました。

Russia Starlink Access Is Being Blocked by SpaceX, Pentagon, Ukraine - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2024-05-09/russia-starlink-access-blocked-by-pentagon-spacex-ukraine


「Starlink」は、4000基以上の人工衛星を用いてネット環境が十分ではない場所でネットを利用できるようにしてくれる衛星インターネットサービスです。理論上は「世界中のどんな場所でも利用が可能」ですが、実際にはサービスが運用されていない国も多々あります。

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻した時点で、ウクライナではStarlinkはサービスが提供されていませんでしたが、通信インフラが危機的状況になる恐れがあったことから、Starlinkを運営するSpaceXのイーロン・マスクCEOはただちにサービス提供開始を決断しました。

イーロン・マスクの指示で衛星インターネット「Starlink」がウクライナであっという間に利用可能に - GIGAZINE

by Tim Reckmann

一方、ロシアではサービスは提供されていませんが、2024年に入って業者を経由して端末を購入している事例が複数報じられました。Starlinkは「ロシア政府やロシア軍とはビジネスをしていない」と述べたものの、ロシアによる「不正使用」の可能性については明言しませんでした。

ロシア軍がSpaceXの衛星インターネット「Starlink」をウクライナとの戦争の前線で使用していると報じられる - GIGAZINE


しかし何らかの対応策があったようで、2024年5月、国防総省のジョン・プラム宇宙政策担当次官補は「ロシアのStarlink使用に対抗することに成功した」と述べ、不正使用を阻止したことを明らかにしました。

ロシア側が用いているアンテナを機能不全にする策があったのか、あるいはその他の技術によって阻止を実現したのか、詳細についてプラム次官補は説明を避けています。


プラム次官補は「ロシアによるStalinkの不正使用に対抗するため、ウクライナ政府およびSpaceXと深く協力してきた」と述べ、「今後もロシアがStarlinkやその他の商用通信システムを悪用するための方法を探すのは間違いない」と続けました。

なお、SpaceXはウクライナへ少なくとも1万台のアンテナを提供しています。

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イーロン・マスク氏が「資金援助がないのであればサービスを打ち切る」と揺さぶったこともあり、国防総省はSpaceXと契約を結んでいて、その額は、アメリカ宇宙軍広報のオマール・ビジャレアル氏によれば年間2300万ドル(約35億8000万円)だとのことです。

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in メモ,   ハードウェア, Posted by logc_nt

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