F1を支えている輸送の裏側とは?
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2018年のF1世界選手権は3月25日に決勝が行われたオーストラリアGPを皮切りに、11月25日開催のアブダビGPまで、世界21カ国を転戦します。このレーススケジュールを実現するために、各チームでは綿密な輸送計画を立てています。
The Insane Logistics of Formula 1 - YouTube
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F1はスポーツでありお祭りであると同時に巨大ビジネスでもあります。
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F1に参戦しているチームの1つであるスクーデリア・フェラーリは13億ドル(約1400億円)の価値があるといわれています。これはIT企業でいうと、チャットアプリのDiscordや電気スクーター共有サービスのBird、フードデリバリーサービス・DoorDashに相当します。
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2018年は21のレースを行うことになっています。
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このスケジュールを実現するため、輸送にはトラックや船、飛行機がフル活用されています。
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F1は「ヨーロッパのスポーツ」といわれますが、実際、参加している10チームのうち、アメリカのハースとインドのフォース・インディアを除く8チームはいずれもヨーロッパ国籍。
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国籍でいうとインドのフォース・インディアは拠点をイギリスに置いており、アメリカのハースも本拠こそノースカロライナ州ですが第2拠点をイギリスに置いています。
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サーキットには「モーターホーム」と呼ばれるチームの拠点が作られます。レースごとに作ってはばらしている建物ですが……
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チームによってはオフィスやバー、キッチン付きのレストランを備えている事例もあります。
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レーススケジュールは、基本的に隔週の週末ごとに決勝レースが行われるように組まれていますが……
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2018年の6月から7月にかけてはフランスGP、オーストリアGP、イギリスGPと3週連続でレースが組まれる事態となりました。
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まずフランスGPが南仏のル・キャステレ村にあるポール・リカール・サーキットで開催され、続いてオーストリアGPがシュピールベルクにあるレッドブル・リンク、イギリスGPがシルバーストン・サーキットで開催されました。
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シュピールベルクからシルバーストンまでの移動距離は1000マイル(約1600km)。
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各チーム、輸送トラックを3人のドライバーが担当することで乗り切ったそうです。
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しかし、もっと距離が離れているケースもあります。たとえば、バーレーンGP(サヒール)と中国GP(上海)の間の移動距離は4000マイル(約6400km)以上。
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こうしたこともあって、各チームは2018年1月の時点で輸送計画を作成。机やイス、キッチン用具やガレージ関連のものなど「かさばるため空輸だと高くつく」という荷物を海上輸送用の40フィートコンテナおよそ3つにまとめた輸送セットを5セット作ったとのこと。海上輸送は速度に難がありますが、5セット用意することで、1セットはそのとき必要な場所に届いているように予定を組めたとのこと。
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その輸送プランがコレ。5つの輸送セットはまずオーストラリア・メルボルン、バーレーン・サヒール、中国・上海、アゼルバイジャン・バクー、カナダ・モントリオールへ輸送されました。
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オーストラリアGPが終わるとセットAはシンガポールへ、バーレーンGPが終わるとセットBはロシアへ、中国GPが終わるとセットCは日本へ、アゼルバイジャンGPが終わるとセットDはアメリカへ、カナダGPが終わるとセットEはメキシコへと運ばれることになります。
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輸送チームの休みは、サーキットで設営を終えた木曜日からレースが終わるまで。
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バーレーンGPを例に取ると、日曜日に決勝レースが行われる前から荷物の梱包が始まります。これは、レースが始まるとエンジンを交換することはないのでガレージに置いておく必要がなくなるため。同様に、必要のない予備部品なども梱包していきます。
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レースで何事も起きなければ、ゴールから15分後にはその他の荷物の梱包も始まります。
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巨大建造物に見えたモーターホームは、実はコンテナを組み合わせて作られていたということがよくわかります。
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各チームとも優先的に輸送する「プライオリティ・パレット」の指定があり、このパレットは最初に梱包を終えてすぐに空港へと運んで上海行きの便に積み込まれます。
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マシンはレース後に不正がなかったか検査が行われるのでやや梱包が遅くなりますが、それでも、すべての荷物はチェッカーフラッグが振られてから6~8時間後には梱包され、月曜朝にはバーレーンを発ちます。また、荷物だけではなく人も月曜日に出発。スタッフは普通に旅客機で移動しますが、ドライバーはプライベートジェットで移動するケースがあります。
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荷物が中国へ到着。
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すぐにサーキットへと運び込まれます。
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現地では公平性・安全性のため、すべてのチームのプライオリティ・パレットが到着するまで輸送チームは荷物に触れられないとのこと。火曜朝になれば確実に荷物は揃っているので、サーキットのコースをふさいでいる荷物がばらされ、ガレージ設備や電気・通信関係の設営が行われます。
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火曜夜のうちにその他の荷物も到着し、水曜は朝6時から組み立て作業を再開。昼前には一連の組み立て作業が終わるとのこと。
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ここで詳しく取り上げられているのはバーレーンから上海への移動ですが毎年、毎レース、この作業が滞りなく行われることでF1は続いているというわけです。
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