F1マシンに憧れてフォーミュラカーを自作してしまった猛者が登場
子どものときに行った自動車のイベントで本物のF1マシンと出会い、その魅力に取りつかれてしまったミショ・クズマノヴィッチさんは「いつか本物のF1マシンを作りたい」と考えるようになりました。そして、大人になったクズマノヴィッチさんはフォーミュラカーの作成に着手し、2年の歳月をかけて自作のフォーミュラカーを実現することに成功しました。
I Built My Own Formula 1 Car | RIDICULOUS RIDES - YouTube
「これが私のフォーミュラカーです」と語り、自作したフォーミュラカーを見せてくれているのが、ボスニア・ヘルツェゴビナのプルニャボルに住むクズマノヴィッチさん。
「子どもの頃、ベオグラードでF1のプロモーションイベントを行うことを知り、興味を持った私はイベント会場に行くことになりました」
「そこで耳にしたF1マシンの音が、今でも強く印象に残っています」とクズマノヴィッチさんは語っており、いつか自分のF1マシンを作るという大きな夢を持っていました。
そして、大人になったクズマノヴィッチさんは、フォーミュラカーの作成に着手。しかし、一人の力では成し遂げられなかったようで「このマシンの設計や構築には、友人や家族もサポートしてくれました」とクズマノヴィッチさんが話しています。
息子のミレンさんは、クズマノヴィッチさんがフォーミュラカーを作っていた当時について「父は夜遅くまで長時間作業をしていました。そこで、私たち家族は父のために食べ物を持って行き、体調を気遣っていました」と語っています。
「そして、現在は父とのドライブを楽しむ生活を送っています」
クズマノヴィッチさんが作り上げたフォーミュラカーは、最高時速が約160km/hで本物のレーシングカーのように速くはありません。
クズマノヴィッチさんは、この違いについて「このフォーミュラカーはF1マシンとは異なっていて、私自身の願望とアイデアを詰め込んでいます」と語っています。
「このため、いくつもの問題を解決する必要があり、このフォーミュラカーの実現に2年かかりました」
「このフォーミュラカーには、本来のF1マシンには存在しないオーディオシステムが組み込まれています」
「そして、後部のボックスに燃料タンク、エンジン、トランスミッションを集約しています」
「また、コックピットに入るのが窮屈だったので……」
「足を入れやすくするために、ハンドルを少し左側にずらしています」
「また、車を走らせると、興味を持った人全員が写真を撮ろうとするのですが、ポーズを取るためにフォーミュラカーに座ったり、触ったりする問題がありました。気持ちは十分に理解できるのですが、車の塗装と車体の形状を維持するために……」
「ここに『もたれかかったり、触ったりしないでください』と注意書きをしています」
「そして、さらに別の問題も発生しました」
「その問題は座席です。ある日、妻が『座席の数はいくつあるの?』と私に質問しました。私はこの質問に『1人乗りなんだけど』と答えたのですが、妻から『じゃあ、私はどこに乗ったらいいの?』と言われ、急きょ後部座席を追加することになりました」
そして、クズマノヴィッチさんの自作のフォーミュラカーが完成。クズマノヴィッチさんによると、フォーミュラカーの完成までに総額2万ポンド(約300万円)を費やしたとのことです。
クズマノヴィッチさんはフォーミュラカーをマイカーとして登録する手続きにも苦労し、多くの書類の提出や費用負担が必要になったそうです。しかし、「粘り強く続けることで無事登録を終えることができました」と語るクズマノヴィッチさんの努力が実り、自作のフォーミュラカーを公道で走らせることも可能になりました。
クズマノヴィッチさんは、このフォーミュラカーの完成がゴールではなく「私には、まだ多くのアイデアがあり、今後はそれらを実現していきたいと考えています」と語っています。
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