メキシコで大統領選中に130人以上の政治家・立候補者が殺される
メキシコでは大統領選挙が行われる2018年7月1日に連邦議会、州知事などでも選挙が行われ、総計3400人以上の政治家が選出される予定です。まれに見る大規模な同日選でメキシコ国内の政治が大きく動こうとする中、選挙期間中に130人以上の政治家や候補者など政治関係者が殺されるという恐ろしい状況になっています。
Study: 132 candidates or politicians killed since the start of Mexico's electoral campaign - CNN
https://edition.cnn.com/2018/06/27/americas/mexico-political-deaths-election-season-trnd/index.html
133 politicians murdered ahead of Mexico elections: study | AFP.com
https://www.afp.com/en/news/23/133-politicians-murdered-ahead-mexico-elections-study-doc-16t3cy3
リスクコンサルティング企業のEtellektは、2017年9月から始まった約9カ月の選挙期間中に殺害されたメキシコの政治家や立候補者の数が130人を超えたとの調査結果を発表しました。殺された133人のうち、48人が候補者で、32州のうち22州で候補者が暗殺されたとのこと。
殺された中でも最も衝撃的だと言われているのがフェルナンド・プーロン氏の事件。
プーロン氏は立候補地のコワウイラ北部での公開討論を終えて支援者と写真を撮影しているときに、背後から頭を銃で撃ち抜かれて即死しました。プーロン氏は、討論会で「地域の犯罪対策に取り組む」という意思を明らかにしていたそうです。
メキシコ政府は2006年に軍を動員して麻薬の密売の取り締まりを強化しました。しかし、この「麻薬戦争」によって麻薬カルテルが分裂した結果、小規模な統率の取れない麻薬組織が新たに生まれてしまい暴力が拡大。取引に応じようとしない政治家を殺害する事件が多発するようになったそうです。
政治家(赤)や選挙立候補者(黒)が殺害された件数は、2011年-2012年に比べると2017年-2018年は大幅に増えているのが確認できます。
メキシコでは2017年に過去最悪となる2万5339件の殺人事件が発生しています。しかし、2018年5月の殺人事件は4381件と調査開始以来の最悪記録を更新。選挙が大詰めを迎える中で、2018年は過去最悪だった2017年を上回るペースで殺人事件が発生しています。
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