メモ

2050年には総発電量の約50%が再生可能エネルギーになると予想される


エネルギー技術の分析などを行っているBloomberg New Energy Finance(BNEF)は、2050年までに再生可能エネルギーが総電力の約50%を占め、石炭による発電は11%ほどに落ち込むとの予想を発表しました。

New Energy Outlook 2018 | Bloomberg New Energy Finance | Bloomberg Finance LP
https://about.bnef.com/new-energy-outlook/

Report: World trending to hit 50% renewables, 11% coal by 2050 | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2018/06/report-world-trending-to-hit-50-renewables-11-coal-by-2050/

BNEFが公開した報告書には、将来のエネルギー市場に影響を与えると予測される要因から、2050年までのエネルギー市場がどのように変化するかを予測したものがまとめられています。以下のグラフは、2050年までの総発電量の推移を示したグラフで、太陽光や風力といった再生可能エネルギーによる発電量が大きく伸び、2050年には全体の48%となると予想されています。さらに、温室効果ガスを発生しない水力と原子力を合わせると総発電量の71%になる見込みであるそうです。温室効果ガスを排出する火力発電については、石炭火力が11%まで落ち込み、2050年になると火力発電の発電量は全体の29%になると予想されています。


太陽光発電、風力発電が大きく伸びる要因として、BNEFが挙げている理由はコストの低下です。太陽光発電と風力発電施設の建設コストは年々低下しており、2018年時点では大規模な石炭・ガスの火力発電施設を建設するよりも安価になっています。BNEFはこの傾向が今後も続くとしており、爆発的に普及していくことになると予想しています。これらのコスト低下に合わせて、蓄電池のコストも低下してきているため、蓄電池も爆発的に普及する可能性が高いとしています。

また、BNEFの報告書ではガス使用量についても触れており、2050年には使用量がごくわずかに上昇すると予想されています。これは、ヨーロッパでのガス使用量は大きく減少するものの、アメリカ、中国、インドで増加する見込みがあるからだそうです。

報告書では電気自動車市場(EV)も大きく成長すると予想されています。EVの普及率は、2018年現在で1.8%ほどですが、2040年には55%にまで上昇する見込みとしており、2050年には総発電量の24%が電気自動車に使用されることになるようです。


BNEFの報告書では、再生可能エネルギーが著しく増加すると予想しており、地球温暖化などによる気候変動が緩和するという期待が膨らむものになっています。BNEFはこの点にも触れており、報告書が示したモデル通りに推移するという仮定した場合、世界のCO2排出量は2027年にピークに達した後、そこから年2%ずつ減少していく可能性があると述べています。

また、CO2排出量の推移がどのように変化するかを示したグラフも以下の画像で公開されています。縦軸がCO2排出量、横軸が時間(年)となっており、BNEFの報告書通りに推移したものが水色の線、石炭火力の使用が完全になくなると仮定したものが紫色の線、パリ協定の目標を守るため必要な推移が緑色の線で示しています。このグラフによると、BNEFの予想する推移(水色)ではパリ協定の目標として設定された温暖化による気温上昇を2度未満に抑えられず、紫のように石炭使用を完全になくしたとしても届かないことがわかります。BNEFは「もしパリ協定の目標を守りたいのであれば、ガスに代わる新技術を生み出す必要がある」と述べており、現状の予測のままでは到底たどり着けない目標であるとしています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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