「ストーンヘンジ」を作った古代人はピタゴラス誕生の2000年前に「ピタゴラスの定理」を使っていたとする説
「ピタゴラスの定理(三平方の定理)」は、紀元前570年に生まれた古代ギリシアの数学者ピタゴラスによって発見されましたが、イギリスの遺跡「ストーンヘンジ」の建造者は、ピタゴラスよりも2000年も早くピタゴラスの定理を活用していたという説が出されています。
Stonehenge builders used Pythagoras' theorem 2,000 years before Greek philosopher was born, say experts
https://www.telegraph.co.uk/science/2018/06/20/stonehenge-builders-used-pythagoras-theorem-2000-years-greek/
Wooden Booksが出版した書籍「Megalith」で、考古学者のロビン・ヒース氏らの研究チームは、ストーンヘンジを作り出した新石器時代の人たちが、月や太陽の満ち欠けや日食のサイクルなどを理解するなど複雑な天文学の知識をもち、天体カレンダーをベースにしてストーンヘンジを作り上げたと結論付けました。
同書の中では、ストーンヘンジとそれに関連する建造物との位置関係には、「ピタゴラスの定理」が応用されている例が多数あるとも指摘されています。ストーンヘンジが並べられた円陣自体は真円ではないものの、ロープやペグを使って約83センチメートルの「Megalithic Yard(巨石ヤード)」単位で配置され、ピタゴラスの定理が成り立つ例が複数あるとのこと。
さらに、ストーンヘンジと関連性があると考えられているインヴァネスのドルイド寺院、キャッスルリッグ・ストーン・サークル、Borrowston Rigなどとの位置関係を調べると、それぞれが直角三角形を描くことが分かり、古代人がピタゴラスの定理を活用していたと推測しています。
ストーンヘンジは紀元前2500年から紀元前2000年に作られたと考えられていることから、本当にピタゴラスの定理が応用されていたとすれば、ピタゴラスの発見よりも最大で2000年も前に定理の内容を応用していたことになります。
なお、1年で最も昼の長い「夏至」の日に、ストーンヘンジを構成するヒール・ストーンと呼ばれる玄武岩と、中心にある檀石を結ぶ直線上に太陽が昇ることや、ストーンヘンジから延びる道(アベニュー)が夏至の太陽が昇る方向を指していることなどから、ストーンヘンジと夏至の結びつきが知られています。このため、Megalithは2018年6月21日の夏至に発行されています。
Amazon | Megalith: Studies in Stone | John Martineau, Hugh Newman, Howard Crowhurst, Robin Health, Evelyn Francis, Gerald Ponting, Gordon Strong, Chris Mansell, Alexander Thom | Archaeology
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