サイエンス

子どもの自閉症は88%の精度で血液検査から予測できることが明らかに



自閉スペクトラム症(ASD)の子どもは血液検査から97%以上の精度で予測できるという研究結果が2017年8月に示されましたが、一部の保健機関から研究内容に問題点があるとして指摘を受けていました。そこで、レンセラー工科大学で医用生体工学の教授を務めるユルゲン・ハーン氏らの研究チームが研究内容を見直し、再度実験を行った結果、血液検査からASDの子どもを88%の高い精度で予測できることが明らかになりました。

Multivariate techniques enable a biochemical classification of children with autism spectrum disorder versus typically‐developing peers: A comparison and validation study - Howsmon - - Bioengineering & Translational Medicine - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/btm2.10095

Success of blood test for autism affirmed | News & Events
https://news.rpi.edu/content/2018/06/19/success-blood-test-autism-affirmed

アメリカ疾病予防管理センターによると、約1.7%の子どもがASDと診断されているとのことです。しかし、2018年時点では、ASDの診断は臨床観察によるものしか行われておらず、ほとんどの子どもは4歳になるまでASDであるかどうか結果を知ることができないという問題がありました。


ハーン氏らの研究チームは子どもの自閉症を早期に診断するため、血液中の代謝産物のパターンからASDとの関連が疑われるものを探し出し、ASDかどうかを判定するビッグデータ技術を用いた予測システムを開発しました。

以前の研究では、研究チームは予測システムに24種類の代謝産物のデータを入力し、149人の子どもたちの血液サンプルを調査して、97%を超える精度で診断することに成功していました。今回の追跡調査では、予測システムに使用する代謝産物のデータを22種類に減らし、アーカンソー州児童研究所に保管されていた154人分の子どもの血液サンプルの調査を実施。すると、予測システムは88%の精度でASDと判定することに成功しました。

「私たちは以前の研究とは異なる子どもたちを調査し、以前と同様に高い精度で自閉症を患っているかどうかを予測することができました」とハーン氏は語り、当初の指摘を覆すことができたと自信を持って伝えています。

2018年6月時点でハーン氏は、この予測システムを使った診断を臨床試験に移すことを計画しており、早ければ今後数年で実際のASDの診断に用いられるようになるとのことです。

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in サイエンス, Posted by log1j_ty