ハードウェア

コカインの呼気検出器の実現に一歩近づくセンサーチップの開発に成功


呼気に含まれるコカインを検出するための機器を実現できるセンサー・チップが開発されました。吐き出した息から薬物を検出できる安価な携帯型検出器は、交通検問などでの活躍が期待されています。

Chemical sensing chip sniffs out cocaine within minutes - University at Buffalo
http://www.buffalo.edu/news/releases/2018/05/011.html

コカインを検出できる化学センサーチップを開発したのはバッファロー大学のQiaoqiang Gan准教授の研究チーム。センサーチップは銀鏡面に金のナノ粒子と銀のナノ粒子を層状に堆積させたもので、表面に薬物などの生物的・化学的物質が付着すると金属ナノ粒子の構造が変化することで光の散乱具合が変わるとのこと。コカインなどの麻薬に含まれるオピオイドという化合物を素早く検知することが可能で、血液、唾液、尿だけでなく呼気に含まれる微量の化学物質でさえ検出できるそうです。

チップセンサーの検出方法は表面増強ラマン分光法(SERS)と呼ばれるものを利用したもので特に珍しいものではないそうですが、光学層を薄膜として重ねることで安価にセンサーを作り出せるという点で画期的だとのこと。「呼気中に含まれるコカインを数分で検出できる高性能センサーチップの製造に必要な原料コストは10セント(約11円)程度で、製造コストも非常に低い」とGan博士は述べています。


アメリカではコカインやマリファナなどの薬物を服用したドライバーによって引き起こされる交通事故が大きな問題になっており、交通検問で薬物を服用していることを検出できる薬物呼気検出器の実用化が強く求められているとのこと。Gan博士たちの開発したチップによって、高精度で薬物を呼気から素早く検出できる安価な機器を実用化することが期待されています。Gan博士はコカインだけでなく、マリファナなどの他の薬物にも対応できるようにセンサーチップのさらなる改良を目指しているそうです。

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