Amazon創業者のベゾス氏が「新しいことを始めるには誤解されることを恐れてはならない」と語る
by Steve Jurvetson
世界的通販サイトAmazonの創業者でありCEOでもあるジェフ・ベゾス氏は、2018年の世界長者番付で1位に輝いた、いわば「世界一の成功者」です。そんなベゾス氏は起業を考えている人々に対して、「自分のことを誤解されることが許せないなら、新しいことを始めるべきではない」と語っています。
Jeff Bezos on what it takes to be innovative
https://www.cnbc.com/2018/05/17/jeff-bezos-on-what-it-takes-to-be-innovative.html
Forbesのリアルタイム資産ランキングによるとベゾス氏は記事作成時点で約1300億ドル(約14兆円)もの資産を保有しており、Amazonの従業員が過酷な労働環境を強いられているという批判を受けつつも、間違いなく世界で最も成功した人物の1人として知られています。
電子書籍の出版を手がけるAxel Springer SE社のCEOであるマシアス・ドゥフナー氏と共に受けた2018年4月のインタビューにおいて、ベゾス氏は「私が人々に言いたいのは、『新しいことや革新的なことを始めたいのであれば、周囲から誤解されることを嫌がってはいけない』ということです」と述べています。ベゾス氏は続けて、もしも誤解されることを許容できないのであれば、他の人のためにも新しいことを始めるべきではないとまで言いました。
その「誤解」の一例として挙げられているのが、Amazonの「ユーザーが書籍のレビューを投稿できる」という機能。このレビュー機能でユーザーからの否定的なレビューを寄せられた出版社はAmazonのレビュー方式を非難しましたが、ベゾス氏はAmazonのレビュー機能を変えることは決してありませんでした。
ベゾス氏は、「新しいことを始めるとき、新たな顧客がその方法を受け入れる一方で、古い方法を支持している人々からは批判が寄せられるものだ」としており、新しいことに批判は付きものであると語りました。加えてベゾス氏は、批判的な意見を述べる人々の中には「新しいシステムが失敗するのではないかと心配している人」と、「旧来のシステムで得をしている自分たちの立場が脅かされたくない人」の2種類が存在するとも述べています。
by ali asaria
「起業の際に『ひょっとしたら誰からの批判も受けずに事業が進むかもしれない』と思いたいのは当然ですが、現実的に考えて批判は避けられないものである以上、私たちはそれを受け入れるしかないのです」とベゾス氏は語ります。ベゾス氏は自らがAmazonを立ち上げた時にも、懐疑的な意見に直面したと述べています。
1994年にベゾス氏がインターネットの可能性に着目し、インターネットで書籍の通販サイトを立ち上げるアイデアを思いついた時、ベゾス氏は会社の上司に相談したとのこと。上司はベゾス氏のアイデアを素晴らしいものだと認めた一方で、「すでにまっとうな職に就いている君がやらなくてはならないのか?」とベゾス氏にアドバイスしたそうです。ベゾス氏はその上司を非常に尊敬していたこともあり、アドバイスはアドバイスとして受け入れて48時間にわたって熟考したものの、結局はAmazonの前身となるCadabra.comを創業して現在の成功をつかみました。
ベゾス氏は「起業家や投資家が自らの好奇心と情熱を追求し、何か新しいことを成し遂げるのは素晴らしいことです」と語り、苦しいこともあると理解した上で革新的なアイデアを追求することは重要だと述べています。
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