テスラ「モデル3」の製造遅延はロボットが引き起こしているとイーロン・マスクが認める
By Peter Stevens
電気自動車メーカー「テスラ」のCEOであるイーロン・マスク氏は、「テスラ モデル3」の生産ラインのほぼ全ての工程にロボットを導入することで、2018年第2四半期(4月~6月)に週あたり5000台を生産する計画を掲げていました。しかし、実際のテスラ モデル3の生産台数は週あたり2000台で推移しており、計画をはるかに下回る水準となっています。計画を下回っている原因について、マスク氏はロボットによる過度のオートメーション化が、製造プロセスにボトルネックを生じさせていると説明しています。
Elon Musk Admits His Robot Problem Caused 'Production Hell' | Inverse
https://www.inverse.com/article/43677-elon-musk-tesla-robots-production-hell
製造計画が当初の予定に届いていない理由について、マスク氏は「この問題は、モデル3が持つ技術の多さに起因しており、ロボットだけに頼るのではなく人間と共に作業を行う必要がありました」と話しており、テスラ モデル3の持つ複雑な機構をロボットだけで実現することは困難であると説明しています。
また、Twitterで「マスク氏は、テスラがモデル3の製造に多くのロボットに依存しすぎており、多くの労働者を必要としています」と書かれたツイートに対して、マスク氏は「はい、テスラの過度の自動化は間違いでした。正確に言えば、私の間違い。人間は過小評価されている」と投稿しており、ロボットによる過度の自動化が間違いであったことを認めています。
Yes, excessive automation at Tesla was a mistake. To be precise, my mistake. Humans are underrated.
— Elon Musk (@elonmusk) 2018年4月13日
マスク氏は問題解決のため、2018年4月初旬から生産ラインの責任者となっており、場合によっては家に帰らずに工場で寝泊まりして生産ラインの改善策の検証と影響の確認を行っているそうです。マスク氏によると「モデル3の生産台数は週あたり2000台を維持することは可能」とのことで、検証による生産台数への影響はないと説明しています。
By Tesla Owners Club Belgium
また、マスク氏は「モデル3の生産量は第2四半期中に3倍~4倍に上がると予想しています。昨年モデル3を先行予約した顧客は、今後約3カ月~6カ月後に受け取ることができるはずです」とも述べており、2018年7月から10月頃に納車が開始される見込みであることを明らかにしています。
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