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フルHDの60倍・1億2000万画素の圧倒的超解像度CMOSセンサー「120MXS」の撮影事例が見られるムービーをキヤノンが公開


2016年に上海で開催されたCanon Expoの中で、キヤノンが参考展示した120メガピクセルのCMOSセンサー「120MXS」の、技術仕様や撮影事例をまとめたムービーをキヤノンが公開しています。有効ピクセル数は13280×9184なので1億2000万画素以上の超高解像度な写真が撮影可能で、これはフルHD(1920×1080)の約60倍という数値。そんな超高解像度を実現するセンサーを、APS-H(30.2×16.7mm)サイズで実現してしまったのが「120MXS」であり、ムービーを見ればその実力がよくわかります。

Canon 120MXS 120MP CMOS Sensor - YouTube


「120MXS」は120メガピクセル、つまり有効画素数1億2000万画素のイメージセンサーです。スペックは有効画素数が1億2000万画素(13280×9184)、光学サイズは30.2×16.7mmのAPS-Hサイズ、フレームレートは9.4fps。


フルHDの約60倍という驚異的な解像度を誇る120MXS。実際にフルHD画質のカメラで撮影した写真(左)と、120MXSを搭載したカメラで撮影した写真(右)を比較するとこうなります。遠目ではそれほど大きな差がわかりませんが……


時計の中の歯車部分を拡大すると、120MXSの写真がかなり鮮明に撮影できているのに対して、フルHDではぼやけてしまって細部をしっかりと記録できていないことがわかります。


120MXSの場合は金属表面の細かな傷や汚れまでしっかり視認できるのに対して、フルHDではぼやけてパーツごとの形状くらいしか判別できません。


白枠部分をズームすると……


こんな感じ。120MXSならば歯車ごとの歯形までしっかり識別できるレベルの、精細な写真を撮影できます。


続いて、2000円札を120MXS搭載カメラで撮影してみます。2000円札は偽造防止のために紙面にマイクロ文字を印刷しているのですがこれも120MXS搭載カメラならばハッキリ捉えられます。


「大蔵省印刷局製造」の上に小さく並んでいる「NIPPON GINKO」の文字が偽造防止のためのマイクロ文字ですが、120MXSならばしっかり読めるレベルに拡大することが可能。


別の箇所にも「NIPPON GINKO」の文字を発見


キヤノンはそんな「120MXS」を、将来的には広いエリアで不特定多数の人々を監視するために活用することを検討している模様。


例えば、秩父宮ラグビー場で開催されるラグビーの試合を観戦に来た人たち。


その様子を「120MXS」搭載カメラとフルHDカメラで撮影してみます。もちろん2つのカメラに装着しているのは同じ焦点距離のレンズです。


以下がラグビー場の観客席を撮影した映像。左がフルHDのカメラで撮影したもので、右が120メガピクセルの「120MXS」で撮影したもの。


客席をズームで見てみると……


フルHDで撮影した映像をデジタルズームで約7倍まで拡大するとこんな感じ。客席に人がいることはわかりますが、観客一人一人の顔はぼやけてしまって判別不能です。


同じように「120MXS」で撮影した映像をデジタルズームで約7倍まで拡大するとこうなります。観客一人一人の顔がしっかりと確認できるので、不審者を見つけ、そのままセキュリティに人物の詳細を伝えることも可能になります。


なお、キヤノンが「120MXS」の開発に成功したことを発表したのは2010年で、以下のようにGIGAZINEでも記事化しています。

キヤノンが世界最高となる約1億2000万画素のCMOSセンサーを開発 - GIGAZINE

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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