AmazonがGoogleのスマートホーム製品「Nest」を締め出しへ、スマートホームの覇権争いは熾烈に
Alphabet傘下のスマートホームデバイスメーカーNestの製品が、ライバルの1つであるAmazonから「締め出し」を受けることになりました。Amazonは自社でもスマートホームデバイスEchoシリーズを展開しており、そこでは「ユーザー不在」ともいえる激しい覇権争いが繰り広げられています。
Amazon will soon stop selling all Nest products - The Verge
https://www.theverge.com/2018/3/3/17074844/amazon-stopping-nest-sales
Amazonでは2017年後半ごろから、Nestの最新型セキュリティカメラ「Nest Cam IQ」やサーモスタットなどのスマートホーム機器が製品ページに表示されない状態になっていたとのこと。この状況に対してNestはAmazonに問い合わせするものの反応がなかったのですが、2017年末になってAmazonから、この指示が「トップから降りてきたこと」が原因でそのような状況になっているとの答えが返ってきたそうです。確実な裏付けはないものの、Nestはこの答えから「ジェフ・ベゾスCEOからの命令だな」と自然に受け取ったとのこと。
この事態を受け、NestはAmazonで販売されている商品をすべて引き上げる決定を下しました。その時点でAmazonのフルフィルメントセンターに在庫されている商品については販売が継続されますが、在庫切れになった時点で販売は終了。ただしこの決定は、Amazon本体が販売している商品に関してのものであるため、マーケットプレイスを通じて第三者が販売している商品についての処遇はまだ不確定の状態となっているとのことです。
GoogleとAmazonはそれぞれ競合する製品やサービスを提供しているという関係にあるため、このような火花が散る事態がたびたび発生しています。過去にはGoogleがAmazonのFire TVやEchoに対するYouTubeの提供を取りやめていたこともありました。
GoogleがAmazonのFire TVやEchoでYouTubeの提供を取りやめる強行に、2社の対立が加速 - GIGAZINE
その後、一時的に関係は改善されていたかに見えたのですが、2018年1月後半にはGoogleが再びYouTubeサービスの提供を一時的に遮断していたと思われる事態が発生していました。
GoogleとAmazonのバトルは継続中、YouTubeがFire TVからのアクセスを一時的に遮断か - GIGAZINE
両者のバトルは、かつてのビデオ規格対立「VHS対ベータ」を上回る激しさを見せる様相を呈しており、もはやそこでは「ユーザーの利益」という視点が置き去りにされているとしかいえない状況が生じています。「Nestが欲しければ、他の売っている店を探せば良い」ということではありますが、敵意がむき出しになったとしか見えない対立構造ゆえに、いやが上にも世間からの注目が集まります。
なお、AmazonではGoogleのTVドングル「Chromecast」を買うこともできなくなっているのですが、その偽造品であれば25ドル前後(約2600円)で購入できるということが話題になっています。
Amazon.com: Wifi Display Dongle,Wishpower HDMI 1080P Mini Display Receiver TV Miracast DLNA AirMirror Airplay for IOS/Android/Windows/Mac: Electronics
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