Waymo(元Google)の自動運転車が公道を「普通に」走行する360度ムービー公開、自動運転での移動を仮想体験可能
Googleの自動運転車開発プロジェクトは「Waymo」として独立し、親会社Alphabet傘下になりました。Waymoはすでに公道での試験を1年以上にわたって行っており、自動運転車技術としては最先端をひた走ります。Waymoが実用化一歩手前まで来ている自動運転車の技術をYouTubeの360度ムービーで公開中で、近く自動運転車に乗車する未来を一足早く体感できるようになっています。
Waymo 360° Experience: A Fully Self-Driving Journey - YouTube
Googleは2009年に自動運転車の開発をスタートさせました。
Waymoに引き継がれた自動運転車では、さまざまなテクノロジーが活用されています。このムービーでは、Waymoの開発する自動運転車がどのようにして無人のドライブを可能にするのかが解説されており、自動運転車の技術をより身近に感じさせてくれます。
自動運転車の天井に搭載されたカメラからの映像。Waymoはカメラやセンサーなどを駆使して外界の様子をコンピューターに認識させています。
LIDARと呼ばれる高性能レーザーは、自動運転車の周囲の物体を全て3Dの高分解能データ化します。
なお、360度ムービーなのでぐりぐりマウス操作して、360度全方向の視界をチェックすることも可能です。
また、レーダーによって物体までの正確な距離や物体の移動速度も計測しています。
高解像度のカメラによって視覚情報を得ています。例えば、交差点に侵入する際の信号機の色などはカメラがチェックしています。
交差点に差し掛かったこのシーンで何が起こっているのかを深掘りしてみます。
LIDAR、レーダー、カメラなどから得られる情報はすべて統合されることで、人間が運転するときに得ている情報と同じ情報を得られます。
そして、機械学習によって認識したシーンで次に何が起こるのかを正確に予測することが可能です。これも人間が運転するときに行う判断と同じ。
Waymoの自動運転車は人間が運転時に行う判断をサッカーグラウンド3面分の広さで行うことが可能です。そして、走行するごとに地理情報を正確に記憶することができ、すでに公道走行試験によって数百万ものストリート情報をインプットしています。
例えば、ある通りから駐車場へと侵入するシーンを見てみます。走行車線の隣にある歩道に歩く人や自転車の動きをしっかりと把握します。
歩行者や自転車などをやりすごして……
安全が確認できたらようやく駐車場へと侵入しました。
さらに、駐車場の狭い道では、対面から来る自動車が通り過ぎるまで一時停止しました。
これは、前方にトランクに荷物を積み降ろししている人の存在を認識したから。たとえ、対面からの自動車とぶつかることなく進める道幅であっても、そのまま進めば前方の人に衝突する危険を察知したというわけです。自動車が通り過ぎるのを待って、Waymoの自動運転車は前進して、余裕を持って人を避けて通り過ぎました。
ということで、Waymoの自動運転車の仕組みが理解した後は、リアシートに座っての自動運転体験。運転席・助手席に人はいませんが、ゆうゆうとドライブは続きます。
フロントシートの後部に取り付けられたディスプレイに、自動運転車のナビゲーションが表示されています。ハンドルが右に切られると自動車は右折を始めました。
Waymoの自動運転車は、すでに一般的な人間のドライバーによる運転と同レベルの公道走行が可能になっています。「目的地を設定したら、車内でリラックして到着を待つ」という未来はすぐそこまで迫っているようです。
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