Googleの自動運転車計画を引き継いだWaymoがUberを「企業秘密を盗んだ」として訴える
2016年12月にGoogleの自動運転車プロジェクトを引き継いで独立した新会社「Waymo」が、自動運転車にまつわる企業秘密を盗まれたとして、配車サービスを提供していて自動運転技術にも取り組んでいるUberと、その子会社Otto(OttoMotto・Otto Tracking)を訴えました。
A note on our lawsuit against Otto and Uber – Waymo – Medium
https://medium.com/waymo/a-note-on-our-lawsuit-against-otto-and-uber-86f4f98902a1
WaymoがMediumで開設している公式ブログでは、なぜ訴えを起こしたのかという詳細な理由が述べられています。
WaymoのもとになったGoogleの自動運転車プロジェクトは2009年に結成され、カスタムソフトウェアとハードウェアを自社内で制作してテストを繰り返し、世界で初めて公道での自動走行に成功しました。
この自動運転車のシステムを支える技術の1つが「LiDAR(ライダー)」です。何百万というレーザービームを発射して戻ってくるまでにどれぐらいの時間がかかるかを測定することで、周囲の状況をモニタリングする仕組みで、Waymoでは独自のLiDARシステム開発のために数百万ドルと数千時間を投じてきたとのこと。
ところが、この機密性の高い資料を元従業員のAnthony Levandowski氏が持ち出してOttoに持ち込んだのではないか、というのがWaymoの指摘です。Ottoはもともとスタートアップ企業でLiDARの開発を行っており、Uberが買収した理由もこのLiDARにあったと考えられています。
Waymoによれば、Levandowski氏は退職する6週間前、設計サーバーにアクセスしてLiDARに関する機密性の高い資料を1万4000点以上、ファイルサイズにして9.7GB分ダウンロードしたとのこと。データを入手した後は指紋を消すため、アクセスに使用したPCをきれいに拭いて、再フォーマットまで行っていたそうです。
Levandowski氏は退職前からWaymoの技術を競合他社に「コピー」する計画があることを同僚に語っていたとのこと。
Uberでは「OttoとUberの従業員に対する申し立てを受け止め、慎重に検討する」とコメントしています。
ちなみにUberを巡っては2017年1月にアカウント削除を促す「#DeleteUber」がトレンドになったのち、2月にもセクハラ問題が持ち上がって「#DeleteUber」が再燃。
Sexual Harassment Is Causing #DeleteUber To Trend Again
https://www.forbes.com/sites/georgenehuang/2017/02/21/sexual-harasssment-is-causing-deleteuber-to-trend-again/
1月の「#DeleteUber」はアカウント削除を呼びかける動きでしたが、今回はさらに事態を広く周知する意味合いを込めてアプリに低評価のレビューをつける運動が行われています。
Uber haters have a new weapon
http://mashable.com/2017/02/21/uber-app-store-reviews-plummet/
なお、MashableによるとアメリカのApp Storeでの直近30日分の評価は4800件で、そのうち星5つが642件なのに対して星1つが3941件と、圧倒的低評価になっているとのことです。
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