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世界的メディア企業のバイアコムとCBSが合併のための特別委員会を設置、映画・放送業界再編が進む危機感が原因か

by Andre-Pierre du Plessis

2016年に一度頓挫していたバイアコムとCBSの合併に向けて、特別委員会が設置されたことが発表されました。ただし、合併という結論ありきで進んでいるわけではなく、今回もまた不調に終わる可能性が示唆されています。

Viacom Inc. Board Forms Special Committee to Evaluate Potential Combination with CBS Corporation | Viacom Newsroom
http://news.viacom.com/press-release/acquisition/viacom-inc-board-forms-special-committee-evaluate-potential-combination-cb


バイアコムのニュースリリースによると、取締役会においてCBSとの合併の可能性を探る特別委員会が設置されたとのこと。

実はバイアコムとCBSはもともとは同じ会社で、その起源は1927年に生まれたラジオ局「United Independent Broadcasters」にまで遡ることができます。会社を設立したのは代理人業をしていたアーサー・ジャドソン。出資の求めにコロムビア・レコードの関連会社だったコロムビア蓄音機が応じ、「コロムビア蓄音機放送」として系列15局の体制で放送を開始しました。

しかし、主に通信料が経費として重くのしかかった結果、コロムビア蓄音機はスポンサーを降板。ジャドソンはフィラデルフィアの系列局・WCAUを運営していたアイザック・レヴィ&レオン・レヴィ兄弟とそのパートナーであるジェローム・ルーヒェンハイムに会社を売却します。レヴィ兄弟とルーヒェンハイムは日々の会社運営には興味を抱かなかったため、社長に葉巻会社の御曹司で当時26歳だったウィリアム・S・ペイリーを据えました。

by Harris & Ewing

ペイリーは会社名を「コロムビア放送局(Columbia Broadcasting System:CBS)」と改めた上で、家族が経営していたLa Palinaにスポンサーになるよう要請。ラジオCMによってLa Palinaは売り上げを2倍に伸ばすことに成功。ペイリーはルーヒェンハイム所有のCBS株を買い取って51%を手中に収め、オーナーとなりました。

ペイリーのもとでCBSは系列局を114に増やして全盛期を迎えます。H・G・ウェルズのSF小説をオーソン・ウェルズがプロデュースしてラジオドラマ化して放送しパニックを呼んだという「宇宙戦争」を放送したのもCBSでした。1940年代にはテレビ放送を開始しています。

by Alvim Correa

その流れの中で、1952年にCBSの番組販売部門として作られたCBSフィルムが1971年に独立、「バイアコム」となります。バイアコムは1986年にサムナー・レッドストーン率いるNational Amusementsに買収されたのち、1994年にパラマウント・ピクチャーズを傘下に収め、1999年にはとうとう元親会社のCBSをも買収。

しかし2005年、相乗効果がみられないとしてバイアコムは会社分割されることになり、パラマウント・ピクチャーズやMTVなどを現在の「バイアコム」に分離。残った元バイアコムがCBSコーポレーションへ社名変更しました。

こうして再分離した両社でしたが、バイアコムは経営が低迷。レッドストーン家の意向によって2016年に再統合を図りましたがCBS側が反対したことで挫折しています。

Recodeによる、現在のアメリカの映画・放送業界の現状を図示したものを見ると、バイアコムとCBSを再統合させようとする意図もよくわかります。

Here’s the chart that explains why CBS and Viacom want to merge - Recode
https://www.recode.net/2018/1/18/16906042/cbs-viacom-merger-media-market-landscape-streaming

ストリーミングサービス大手であるNetflixはすでにタイム・ワーナーや21世紀フォックス単体よりも大きな存在となっており、一方で、同じくストリーミングサービスを提供しているHuluはコムキャストから30%、ディズニーから30%、21世紀フォックスから30%、タイム・ワーナーから10%の出資を受けていますが、規模はNetflixの1割にも及びません。さらに、ディズニーなどよりもよっぽど多くの資金を持つApple・Google・Amazon・Facebookなどがチャンスを虎視眈々と狙っている、というわけです。

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