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トランプ大統領の「国境の壁」の全貌が徐々に明らかに、プロトタイプはどんな感じなのか?


トランプ大統領の就任から1年経過してもなおメキシコとの「国境の壁」は建設に至っていませんが、建設計画は水面下で進んでおり、8つのプロトタイプが存在することがわかっています。テスト段階にある、これらプロトタイプがどのようなものなのか、関係者インタビューから明らかになってきました。

Trump’s border wall prototypes virtually impassable, pass rigorous testing | Fox News
http://www.foxnews.com/us/2018/01/30/trump-s-border-wall-prototypes-virtually-impassable-pass-rigorous-testing.html


Trump administration begins testing border wall prototypes to prevent scaling, breaches - ABC News
http://abcnews.go.com/US/trump-administration-begins-testing-border-wall-prototypes-prevent/story?id=51607378

プロトタイプの様子は以下のムービーからも見ることができます。


トランプ大統領が大統領選で強く主張した「壁建設計画」には多くの人々や国家、企業が反対声明を出しており、大統領就任から1年たった2018年1月現在においても壁の建設は着工されていません。アメリカ・サンディエゴ市外の砂漠には高さ最大30フィート(約9.1メートル)のプロトタイプが8つ設置され、テストが行われているところですが、いまだ議会で壁建設の予算が承認されておらず、最終的な決定がされていない状態です。

多くの専門家やメディアから「役に立たない」として批判されてきた壁建設ですが、一方で、実際に国境付近で働くパトロールからは、「壁は機能する」という声もあがっています。


1980年代後半、メキシコからの違法な往来があったことからサンディエゴの国境に46マイル(約74km)のフェンスが立てられました。当時、逮捕された不法移民の数は年間62万人に達していたのですが、2017年に逮捕された不法移民の数は2万6000人ほどであり、95%減となっています。2018年現在のフェンスの長さは60マイル(約96km)に伸びており、最も人口が多いエリアではフェンスでなく約1.8メートルのスチール製マットと有刺鉄線が使われています。

また、サンディエゴにフェンスが立てられると一度は移民は東に移動し、アリゾナ州周辺の不法移民の数が増加したのですが、その後、126マイル(約202km)のフェンスが建てられ、アリゾナ州周辺の不法移民も2017年には1万2000件ほどとなりました。これらのことから、現場で働く人々は「フェンスは大きな違いを生み出す」と語っています。

ただし、トランプ大統領の計画する壁は物理的な壁のみならず、光ファイバーセンサーケーブルやレーダー、ライト、道などをそなえたシステムであり、海から陸地へと伸びるもの。このような壁がどのように機能するのかは、現場の人々でもまだわからないようです。

関係者の発言から、テスト中の新しい壁は、既存の壁よりも耐久性に優れており、手持ち削岩機や切断機でも壊すことができないものだとわかっています。また、はいあがり防止の処理がされているため上って越えることは不可能だとのこと。実際に試しに上った人は降りることができず、クレーンで下ろしてもらうしかなかったといいます。


8つのうちどのプロトタイプが採用されるかはまだわかりませんが、てっぺんに鋼鉄製のよじ登り防止マットや平らなコンクリートを設置したボラード式のフェンスが好まれている様子だというのが関係者のインタビューから分かっています。また、関係者の中には30フィート(約9メートル)という高さは必要なく、24フィート(約7.3メートル)にして費用を削減するという案について語る人も。

コンクリートをベースにした壁もデザインされていますが、コンクリートは破壊されやすく補修の必要が出てくることから、候補として有力ではない様子。ニューメキシコ当局は密輸業者が時間をかけてコンクリートの壁を壊すのではないかと考えているとのことです。


2017年現在は国境にSecure Fence Act of 2006に基づき350マイル(約560km)の歩行者用フェンスが建っていますが、当局は800マイル(約1300km)に及ぶフェンスの新設を示唆している、とFox Newsは報じています。現在ある壁はベトナム戦争の時期に作られたもので、高さが低いことに加えて老朽化が見られます。そこで、このフェンスと置き換える形で新しいフェンスが作られるか、あるいは「第2の壁」として追加でフェンスが作られる形が検討されているとのことです。

なお、トランプ政権は約180万人の不法移民が10年~12年の期間を経て市民権を得る制度を提案し、それと引き替えに壁建設に必要な予算として250億ドル(約2兆7400億円)を求めています

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in メモ,   動画, Posted by darkhorse_log

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