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Amazonのドローン配達が実現に向けて一歩前進


Amazonがドローンを用いた配達サービス「Prime Air」を計画していることが明らかになったのは2013年のこと。2016年にはイギリスで試験導入された同サービスですが、アメリカでは連邦航空局(FAA)による厳しい規制によりサービスをスタートできない状態が続いています。しかし、最新の報道によると、Amazonはドローン配達実現に向けて一歩一歩着実に前進しているそうです。

First U.S. FAA-approved 'beyond-line-of-sight' drone flight completed - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-usa-faa-drones/first-u-s-faa-approved-beyond-line-of-sight-drone-flight-completed-idUSKCN1US2LR

Amazon should be excited about the FAA's latest milestone for drones
https://mashable.com/article/faa-approved-drone-flight-amazon/

アメリカ国内でドローンに関する規制を取り締まっているのがFAAです。Amazonなど複数の企業が「ドローンによる配達サービス」を計画していますが、これの実現には無人機であるドローンは「操縦者の視線の中でしか飛行してはいけない(目視見通し内:VLOS)」というルールが大きな足かせとなっていました。目視見通し内での飛行しか許可されていない場合、ドローンは操縦者から数百メートルしか離れることができず、そうなればドローンを用いた配達サービスも実現は難しくなります。

しかし、ロイターの報道によると、2019年7月20日にFAAが「操縦者の視線外でのドローンの飛行(目視見通し外:BVLOS)」を初めて承認したことが明らかになりました。目視見通し外での飛行が許可されれば、ドローンの飛行範囲は格段に広くなるため、Amazonが計画するドローン配達サービスが実現に向けて一歩前進することになると複数のメディアが報じています。


目視見通し外でのドローン飛行をテストするため、2019年8月の第1週にアラスカ大学フェアバンクス校はFAAと共同でテストプログラムを実施しています。ドローンのサイズにもよりますが、目視見通し外飛行でドローンは2マイル(約3.2km)未満の距離を飛行可能になるとロイターは指摘しています。

Amazonはドローン配達サービスの「Prime Air」を2016年以降イギリスで試験導入してきましたが、2019年6月には間もなく実用化すると発表しました。ただし、Prime Airがどの地域でいつから実用化されるのかについては一切不明です。

なお、アラスカ大学フェアバンクス校とFAAの目視見通し外でのドローン飛行テストプログラムでディレクターを務めたキャシー・キャヒル氏は、「アラスカの辺境には舗装された道路がないため、ドローンの目視見通し外飛行が特に重要になる」とコメントしています。加えて、「アラスカ大学フェアバンクス校は衣料品の配達およびパイプライン監視のためにドローンの使用をテストしている」とキャヒル氏は述べました。

FAAの代理管理者であるダニエル・エルウェル氏は、「共同プログラムはドローンが空域を飛行できるようにするため、業界を前進させることとなる」とコメントしています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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