医療現場のApple Watchユーザーが予期せぬ再起動をくらっていることが明らかに
複数の事例からApple Watchが不整脈の発見に役立つことが明らかになっており、これを進化させるべくAppleはスタンフォード大学と協力して「心臓の不規則なリズムを識別する」取り組みを行っています。そんなApple Watchの最新モデルであるApple Watch Series 3を使っているユーザーの一部が、予期せぬ端末の再起動をくらっていることが明らかになっています。
Some Apple Watch users are reporting unexpected reboots possibly caused by ICU equipment | 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/01/03/apple-watch-rebooting-icu/
「Apple Watch Series 3が予期せぬ再起動をしている」と報告しているのは、特定の病院環境で働くユーザーで、Apple関連メディアである9to5Macの読者の中にも「予期せぬ再起動」を経験したというユーザーがいるそうです。報告によると、一部の病院の集中治療室(ICU)ではApple Watchを使用しているそうで、そこから、「病院で使用される特定のICU関連機器がApple Watch Series 3に何らかの影響を与えているのでは?」と推測されています。
クリスマスに妻にApple Watch Series 3をプレゼントしたという読者によると、ICUで仕事をしている最中でもApple Watchがあると即座にメッセージなどをチェックできるため便利だそうです。しかし、ICUの中にいる際は60~90分おきにApple Watchが再起動するとのことで、新しい端末に交換しても状況は改善されなかったことを明かしています。
Apple Watch Series 3が2017年秋に発売されて以降、同様の問題は度々オンライン上で話題になっています。2017年10月にApple公式のサポートフォーラム上に立てられたスレッドでも、「Apple Watch Series 3が再起動し続ける」と、あるユーザーが告白しており、「自分も同じ問題に遭遇している」というユーザーが複数人いることも明らかになっています。なお、ICU内でApple Watchが再起動するのを避けるには、Apple Watchを機内モードにすればOKだそうです。ただし、そうなるとメッセージを受け取ることはできなくなります。
Apple Watch Series 3 keeps restarting | Official Apple Support Communities
Apple Watchユーザガイドの「安全性に関する重要な情報」という項目には、Apple Watchが医療用電気機器と干渉する恐れがあると明記されています。
安全性に関する重要な情報 - Apple Watch ユーザガイド
「安全性に関する重要な情報」の「医療用電気機器への干渉」という項目には、Apple Watchが起こす電磁場や、中に入っている磁石がペースメーカーや除細動器などの医療用電気機器と電波干渉を起こすことがあると記されています。
医療用電気機器への干渉 Apple Watchには電磁場を発生させる部品および無線送信機が含まれています。Apple Watch、一部のバンド、Apple Watch 磁気充電ケーブル、Apple Watch 磁気充電ケース、およびApple Watch 磁気充電ドックには、磁石が含まれています。こうした電磁場や磁石はペースメーカーや除細動器などの医療用電気機器と電波干渉を起こすことがあります。医療用電気機器とApple Watch、そのバンド、Apple Watch 磁気充電ケーブル、Apple Watch 磁気充電ケース、およびApple Watch 磁気充電ドックとの間には、安全な距離を保ってください。お使いの医療用電気機器に特有の情報については、医師および医療用電気機器メーカーにお問い合わせください。Apple Watch、Apple Watch のバンド、Apple Watch 磁気充電ケーブル、Apple Watch 磁気充電ケース、および Apple Watch 磁気充電ドックが、ペースメーカーや除細動器などの医療用電気機器に干渉している疑いがある場合は、それらの使用を停止してください。
インターネットユーザーの報告によると、Apple Watch Series 3以前のモデルでは医療機器との干渉による「予期せぬ再起動」は確認されていないとのこと。なお、Apple Watch Series 2でもGPSが採用されており、Apple Watch Series 3はLTE対応モデルとWi-Fiモデルの両方で再起動問題が確認できるそうなので、一体Apple Watch Series 3の何が医療機器と干渉を起こしているのかは不明です。
なお、9to5Macは「今後のソフトウェアアップデートで解決できる可能性がある」としています。
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