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映画に日常の効果音を実際にどうやってつけていくのか、ハリウッドの職人技を垣間見られるムービー


映像や音楽、セリフの他に映画を彩るものが効果音です。ちょっとした足音や物音は、自然の音をそのまま使うこともあれば、作り出した音をあとから重ねることも多々あります。以下のムービーで、映画の効果音がスタジオでどのようにしてつけられているのかを見ることができます。

Learning the Art of Sound Design Is Harder Than You Think - YouTube


スカイウォーカー・サウンドはルーカスフィルムの抱える音響制作部門で、世界各国の作品の音響制作・編集を手がけています。このスタジオではスクリーンの前にところ狭しとさまざまな小道具・大道具が置かれています。


映画には、劇伴と呼ばれる映画音楽以上に、足音や食器のぶつかる音など、日常にあふれる音がたくさん出てきます。このスタジオに置かれている道具はすべてそういった効果音を再現し、録音するためのもの。


特にスカイウォーカー・サウンドで効果音を手がける人たちは「フォーリー・アーティスト」と呼ばれ、リスペクトされています。一番左にいるのがフォーリー・アーティストとして40年以上活躍を続けるJohn Rushさん、その右隣にいるのが主にテレビ番組の音響編集に携わるShelly Rodenさん。この2人に指導を受けながら、実際にどうやって映画に効果音をつけるのかを学びます。


早速スタジオのスクリーンに長編アニメーション映画「ズートピア」の1シーンが映し出されます。ウサギの新米警察官ジュディが上京し、アパートに引っ越してくる場面です。


廊下を歩くジュディの足音を再現するために、園芸用のゴム手袋をつけて……


映像を見て、ジュディの歩みへ慎重に合わせながら、マイクの前に置かれたタイルをぺちぺちとたたいてみました。


ジュディはスーツケースも持っているので、スーツケースを床に置いたり擦ったりといった物音も再現しなければなりません。


実際に古いスーツケースを取り出し、音を再現します。音を重ねていくことで場面の完成度がぐっと上がります。「観客はスクリーンの中で起こっていることを見ながら、君が作った効果音を耳にしてこれは本物だと信じるんだ。フォーリー・アーティストになるためには、そのことを理解するのがとても重要だ」とRushさんは言います。


すきま風に吹かれた額縁が立てる効果音はどのようにつければいいのでしょうか?


今度は額縁をタイルに倒して音を立てます。どういう状況で、どんな額縁で……といったことも考えながら試行錯誤を重ねます。


ジュディがベッドに倒れ込むシーンでは……


「こういう風にやってみるのがいいんじゃないかしら」とRodenさんのアドバイスを受けて、マットレスにベッドシーツをたたきつけて音を作ってみます。


ジュディの大きさや体重も考えて、何度も録音を重ねます。


納得のいくテイクが録音できたので、早速録音を映像に重ねて流してみることにします。


体がベッドに沈み込む音と足を投げ出した時の音が、同じベッドに対する音ながら音量や音質に変化を加えているのが細かいポイント。実際にどのような出来栄えなのかはムービーを見るとよく分かります。


「なかなかよかったよ!」とハイタッチを交わす3人。映画では特に注目することが少なく聞き流してしまいがちな日常の効果音ですが、その裏には創意工夫があり、こういった音響制作の職人技にも耳を傾けながら映画を見るのもアリです。

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in 動画,   映画, Posted by log1i_yk

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