なぜレーザービームは直線を描くのか?
By Jim Stanton
レーザーは自然光と違い、直線の軌道を描き、1点にエネルギーを集中させて力を加えることができるので、研究用途や産業用途、医療用途など幅広く活用されています。とはいっても、レーザーについて詳細に理解するのは少しハードルが高いもの。しかし、YouTubeで物理関連のムービーを多数公開しているminutephysicsチャンネルが公開しているムービーならば、レーザーの仕組みをわかりやすく理解することができます。
How lasers work (in theory) - YouTube
レーザーを作るための準備は、原子をたくさん集めてエネルギーを与えるだけです。
原子の1つが光のもとである光子を放出すると、この光子が他の原子上を通過し、それぞれの原子も連鎖するように光子を放出します。
ここで、一度放出した光子をそのままにせず。
2枚の鏡で閉じ込めて、前後に跳ね返させ続けると、たくさんの原子が刺激されてより強い光が生まれます。つまり、この状態で原子にエネルギーを与え続けることができれば、永遠に光を発することができるというわけです。
では光子が通過するだけで、なぜ原子は光子を放射するのでしょうか?
答えは簡単です。まず、2つのコインをひっくり返すことを考えてましょう。2つのコインが同じ状態である確率と、異なる状態である確率はそれぞれ50%です。
しかし、光子はコインのように1つ1つを区別することはできません。コインと同じように、光子をひっくり返すことを考えてみると、光子が同じ状態になるには2通りありますが、異なる状態になるのは1通りのみ。したがって、光子は同じ状態になりやすいといえます。
つまり、放出された光子がエネルギーを蓄えた原子を通過すると、原子から同じ状態となった光子が飛び出しやすいというわけです。
そして、2つの光子は一緒に過ごしたいからか、互いに全く同じ状態で同じ方向に進みます。
つまり、全く同じ状態となった、たくさんの光子を鏡の間で跳ね返し続け、最後に小さな穴を開けて放出すると、一直線な軌道のレーザービームを出せるようになるわけです。
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