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独占禁止法規制当局がGoogleのウェブ広告における支配っぷりを審査

by Robert Scoble

Googleといえば検索エンジンに各種ウェブサービス、ウェブブラウザ、スマートデバイスなどさまざまな事業に手を出していますが、売上の大部分はインターネット広告が占めています。これまでGoogleが提供するインターネット広告サービスにおいて何かしらの苦情を受けることはそれほどなく、法律違反しているという兆候も見られなかったのですが、イスラエルのArtimediaがGoogleを起訴したことから同国の独占禁止法規制当局の目に留まることとなっています。

Antitrust examining Google dominance on web advertising - Business - Haaretz.com
https://www.haaretz.com/israel-news/business/1.828181


Googleのインターネット広告の優位性はいわゆるプログラマティック広告にあります。プログラマティック広告は広告主が求めるターゲット層にピッタリな広告を自動で判別してくれるので、広告枠を買うだけでベストの広告が打てるというもの。ウェブページ上には多数の広告用スペースが存在しますが、ウェブページにどのような内容が表示されており、そのページを見るユーザーがどのような人物なのかを基に、表示する広告をGoogleの広告サービスが自動判別してくれるわけです。

そんなGoogleが広告配信用に提供しているサービスに、GoogleディスプレイネットワークDoubleClick for Publishersがあります。Googleディスプレイネットワークはユーザーごとに適した広告を配信するためのツールで、ターゲット設定オプションを使用することで、適切な場所と適切なタイミングで、戦略的に広告をユーザーの目の付く場所に配置することができます。DoubleClick for Publishersは、さまざまなデバイスやフォーマットで広告を配信するためのプラットフォームで、広告管理を合理化し、アプリの収益化を加速させるためのツールです。

DoubleClick for Publishersはアプリの収益化を目的としたツールなので独立して運営されており、自社サービスであるGoogleディスプレイネットワークや、ライバルサービスであるPositive Mobileの広告を表示することができます。しかし、Artimediaによると、Googleは悪意のある洗練された方法で「DoubleClick for PublishersがGoogleディスプレイネットワーク経由の広告を優先している」と主張しています。具体的には、ライバルサービスがDoubleClick for Publishersにおいて広告インベントリを管理するのに必要な全ての情報にアクセスできないようにしているとのことです。

by Benjamin Dada

Artimediaの訴えをもとに、「イスラエルの独占禁止法規制当局が動き出した」とイスラエルのニュースメディアHaaretzが報じているわけですが、その他の詳細は記事作成時点では不明です。

なお、Googleは2017年6月にEUから検索およびスマートフォン分野における寡占ぶりを調査されており、独占禁止法違反で24億ユーロ(約3200億円)の制裁金を科されています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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