ブラック企業大賞2017にノミネートされた会社・組織リスト&一体何をしたのかまとめ
2017年で第6回となる「ブラック企業大賞」のノミネートが発表されました。大賞の発表は12月23日(土・祝)で、本日より事前にウェブサイトから投票することも可能です。
ブラック企業大賞: 第6回ブラック企業大賞 ノミネート企業決定!
http://blackcorpaward.blogspot.jp/2017/11/blog-post.html
本日、ブラック企業大賞2017ノミネート企業を発表します午後2時から厚生労働省記者クラブで記者会見です。ご注目下さい。
— ブラック企業大賞 (@black_award) 2017年11月27日
◆ゼリア新薬工業株式会社(参考その1:「いつまで天狗」新人研修中に自殺 ゼリア新薬を提訴:朝日新聞デジタル、参考その2:「自己変革研修」で新入社員自殺、遺族がゼリア新薬など提訴…研修会社は反論 - 弁護士ドットコム)
人材コンサルタント企業ビジネスグランドワークスによる研修を受けた22歳の男性が、ビジネスグランドワークスの講師から「何バカなことを考えているの」「いつまで天狗やっている」「目を覚ませ」とコメントを書かれ、さらに「悩みをぶちまけろ」と強要されて吃音や過去にいじめを受けた経験を告白させられ、「一番知られたくなかった同期に知られてしまい、ショックは数倍増しだった」と書き残して自殺。
◆株式会社いなげや(参考その1:スーパーいなげやでチーフが過労死 平成15年にも過労自殺 遺族が「再発防止」求める - 産経ニュース、参考その2:「いなげや」店員、過労死認定 サービス残業常態化か:朝日新聞デジタル、参考その3:「いなげや」で再び過労死…タイムカードを正確に打刻させず、サービス残業常態化 - 弁護士ドットコム)
「いなげや」志木柏町店でチーフをしていた42歳男性が脳梗塞で死亡、過労死と認定された事件。食料品の発注や棚卸しを行うチーフをしていたが、過労のあまりろれつが回らなくなり入院。数日後に職場復帰するものの、勤務終了直後に意識を失い、死亡。タイムカードの記録では残業規制上限以内だったが、実際はタイムカードを押す前と押した後も仕事をしていたことが、警備システムの管理記録などから判明。サービス残業による過労死。
◆パナソニック株式会社(参考その1:労災認定社員は過労自殺 パナソニックを書類送検 残業、月138時間の疑い 富山の労基署(1/2ページ) - 産経ニュース、参考その2:パナソニック工場社員の「過労死」認定 富山:朝日新聞デジタル)
パナソニックの社内分社「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社」の松江富山工場に勤務していた40代男性が死亡、原因は100時間を超える長時間労働による過労死。しかし実際には過労による「自殺」であったことが判明。さらに社員3人に最長で月138時間の違法な長時間残業をさせたとして労務管理担当の40代と30代の男性幹部2人を書類送検。3人の最も長い残業時間はそれぞれ月97~138時間だった。
◆新潟市民病院(参考その1:新潟市民病院:「過労が原因」女性研修医自殺、労災認定へ - 毎日新聞、参考その2:「責任を問われるべき」新潟市民病院の自殺研修医遺族 市長や病院長を労基署に告発 - 産経ニュース)
当時37歳の女性研修医が行き先を告げず一人で自宅を出たまま行方不明になり、翌朝、家族が自宅近くの公園で遺体を発見。死因は低体温症で、遺体の近くに睡眠薬と飲み終えた酒が落ちていたおり、警察は自殺と判断。自殺前、家族に「人に会いたくない」と漏らしており、調査した結果、「過労死ライン」と位置付けられる80時間の2倍を超える約187時間、最も多い月では251時間にも達していたというもの。
◆日本放送協会(NHK)(参考その1:【ニュースの深層】31歳NHK女性記者はなぜ過労死したのか「要領悪く、時間管理できない」心ない言葉浴びた両親(1/7ページ) - 産経ニュース、参考その2:NHKの31歳女性記者が過労死 残業、月159時間:朝日新聞デジタル)
当時31歳のNHK首都圏放送センターの女性記者が都内の自宅でうっ血性心不全を起こして急死。発見時には携帯電話を握りしめていた。亡くなる直前の1ヶ月間の残業時間は159時間37分。過労死して労災認定され発表されるまで3年以上もかかっており、NHK広報は朝日新聞の取材に対し「当初は遺族側から公表を望まないとの意向を示されていたので、公表を控えていた。佐戸さんの死をきっかけにした働き方改革を進める上で、外部への公表が必要だと判断した」としているが、遺族からは「事実ではない」「我々は謝罪とは受け取っていない」としており、NHKが隠蔽していたと推測されている。
◆株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西(参考その1:アリさんマークの引越社のブラックすぎる実態「違法・不当労働行為のデパート」|プレカリアートユニオン、参考その2:都労委:アリさんマーク「引越社」に不当労働行為認定 - 毎日新聞)
労組に入った男性営業社員をシュレッダー係に配転した後、懲戒解雇し、その際に「罪状ペーパー」を店舗に提示・全従業員宛の社内報にも同様のものを掲載するという暴挙に出たもの。
最終的に不当労働行為認定され、男性とは和解した。
アリさんマークの引越社「追い出し部屋」事件 社前抗議行動 2015年10月1日 懲戒解雇撤回されるも「罪状ペーパー」が増えていた! - YouTube
◆大成建設株式会社・三信建設工業株式会社(参考その1:「バカか、てめえ」新国立建設で自殺 過酷労働の内情:朝日新聞デジタル、参考その2:新国立で過労自殺、時間外200時間を会社「把握せず」 :日本経済新聞)
当時23歳の現場監督をしていた男性が失踪後、自殺。早朝5時に車で出勤して車内で仮眠し、深夜0時過ぎに帰るといった日々を繰り返し、話しかけても視点が定まらなかったり、友人に「「今の職場に3年はいたいが、もたない。辞めたい」」と漏らしたりしていた。自殺現場に残されたメモには「突然このような形をとってしまい、もうしわけございません。身も心も限界な私はこのような結果しか思い浮かびませんでした」と記されていた。
◆大和ハウス工業株式会社(参考その1:大和ハウスで違法残業、月109時間 労基署が是正勧告:朝日新聞デジタル、参考その2:住宅展示場で隠れ残業か 大和ハウスに是正勧告 : 京都新聞)
20代の男性社員に違法残業させていたもので、1ヶ月に109時間。男性は共同通信の取材に「上下関係が厳しく、残業するとは言い出せなかった」と話しており、結果的に本人は精神疾患とPTSDになっていることが明らかに。
大和ハウスでは、21時以降に会社が施錠され残業ができなくなると喧伝されていましたが、駐車場やモデルルームでの隠れ残業が横行していたことがブラック企業ユニオンの告発で明らかに。会社はなんと把握していなかったそうです。本人は月100時間超の残業で精神疾患、PTSDになっています。
— ブラック企業ユニオン坂倉昇平@労働相談 (@magazine_posse) 2017年9月27日
◆ヤマト運輸株式会社(参考その1:「上司の圧力で残業代を半分しか請求できず」ヤマトドライバー、労働環境改善を要求 - 弁護士ドットコム、参考その2:東京新聞:ヤマト運輸書類送検 福岡労働局 残業代未払いで初:社会(TOKYO Web)、参考その3:ヤマト、巨額の未払い残業代 7.6万人調べ支給へ:朝日新聞デジタル、参考その4:ヤマト残業代未払い、新たに1.2万人 40億円支給へ:朝日新聞デジタル)
神奈川平川町支店のセールスドライバーに対して残業代未払いで是正勧告を受け、さらにパート従業員の勤務時間改ざんと賃金の未払いでも是正勧告を受け、博多北支店のセールスドライバーに対し月102時間の残業を違法にさせていたもの。結果として未払いの残業代を一気に払うこととなった。
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